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スカイトラックスも絶賛 ターキッシュエアラインズのビジネスクラスの実力とは【搭乗レポート】

2018年01月02日 14:12  TRAICY

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いつの時代も日本人に人気のヨーロッパ旅行。日本からヨーロッパへの移動手段といえば、直行便の他にはアジア各国や中東各国での経由便が挙げられるが、実は便利な選択肢のひとつにトルコ・イスタンブール経由という手段がある。それを可能にしているのがターキッシュエアラインズのフライトだ。実はこのターキッシュエアラインズ、就航国数が120か国と世界最多を誇る。ヨーロッパ方面の就航地だけを見ても113都市114空港で、単独ハブ空港からの就航地数としてはヨーロッパ最多(いずれも2017年11月現在)だという。就航ネットワークだけでなく安全性・サービス面への評価も上々で、スカイトラックスの「World Airline Awards」各部門でも数々の受賞歴がある。

東京/成田~イスタンブール線は1往復を毎日運航。イスタンブール行きのTK53便は、東京/成田を午後9時25分(火曜のみ午後9時40分)に出発し翌午前4時過ぎに到着する夜行便のため、使い勝手が良い。東京/成田行きのTK52便はイスタンブールを午前2時10分に出発し、同日午後7時50分に到着する。

筆者は今回、東ヨーロッパへの渡航にこの路線を利用した。本稿ではイスタンブール発、東京/成田行きTK52便のビジネスクラスのレポートをお届けしたい。

この便で使用される機材はエアバスA330-300型機。ビジネスクラスは「2-2-2」の座席配列で全28席だ。各座席の前後間隔はおよそ窓4つ分で、広々としたスペースが確保されている。シートは手元のコントローラーを使ってボタン一つでフルフラットにできるほか、体格に合わせて首や腰、レッグレストの位置をそれぞれ細かく調節できる。

席に着くと、担当客室乗務員が色鮮やかなウェルカムドリンクを持って挨拶と自己紹介にやってきた。フレッシュジュースはラズベリーやオレンジなど色鮮やかなラインナップ。レモネードは自家製だという。

続いて配布されたのはDENONのヘッドホンとアメニティグッズ。デンタルキットやブラシ、アイマスクなどが入ったアメニティポーチはFURLA。フランスの化粧品メーカー、INSTITUT KARITEの保湿クリームやリップバームも入っていた。

ラバトリーのアメニティーは英国王室御用達のMOLTON BROWN。

さて、機体の上昇が終わり安定飛行状態に入ると機内食の時間だ。ターキッシュエアラインズの機内食は、ヨーロッパ各地でレストランやバーを展開するDO&COとターキッシュエアラインズが共同で設立したTURKISH DO&COが手掛けている。スカイトラックスの「Best Business Class Onboard Catering(ベストビジネスクラス機内食部門)」ランキングでは毎年高い評価を受け、2017年も堂々の1位に選出されているというから期待が高まる。

高評価の理由の一つに、高級ホテルなどでの経験を積んだ「フライングシェフ」と呼ばれる機内食専門スタッフの存在がある。このフライングシェフが実際のフライトに乗り込み、機内食の最終的な調理や盛り付けを行っているのだ。実はすでに離陸前、フライングシェフが前菜・主菜の希望を受けに各客席を回っていた。

機内食の前にまずは飲み物の提供。ホットティーをオーダーすると、南部鉄瓶の急須が運ばれてきた。食器ひとつ取っても、ターキッシュエアラインズの機内食に対する力の入れようが伝わってくる。

そしていよいよフライングシェフが食事を持って登場。希望に応じてフライングシェフ自ら各料理の説明をしてくれる。隣の席の方が「撮影用に」と筆者と違うメニューをオーダーして写真を撮らせてくれたので、前菜・主菜それぞれ2種類ずつ紹介する。

【前菜】トルコのメゼ(アペタイザー)各種

【前菜】かぼちゃのスープ

【主菜】サーモンのグリル 根セロリ入りポテトムースとほうれん草ソテー トマトソース添え

【主菜】ナスのリガトーニ・パスタ パルメザンチーズとトマトの手作りソース

食後のデザートは、なんとワゴンに乗って運ばれてきた。その場で実物を見て好きなものを選ぶことができ、さながら空の上のレストランのような演出だ。

【デザート】DO&CO特製チョコレートムース

【デザート】ストロベリーとマンゴーのパンナコッタ

繊細な味と盛り付けの食事内容もさることながら、見た目まで華やかなデザートタイムまで用意されていたりと、ベストビジネスクラス機内食の称号は伊達ではない。フライングシェフが都度配りに来てくれるパンも種類が豊富で美味しく、総じて優雅な食事のひとときを満喫できた。

デザートの食器が片付けられてしばらくすると、照明が落とされて機内は就寝モード。客室乗務員に声をかけると、すぐにシートをベッドメイクしてくれた。

就寝時間帯はキャビン前方にフルーツやスナック類が置かれ、小腹が空いたときも安心。

機内エンターテイメントには各国の映画やドキュメンタリー番組など約350本が用意されている。邦画も数本入っていたが、筆者が興味を惹かれる作品はなかったため終始フライトマップを表示させて飛行経路を眺めていた。

ちなみにエアバスA330-300型機では機内インターネットサービスが提供されており、ビジネスクラスの乗客は無料で利用できる。「ビジネス」クラスらしく機内で仕事やメールチェックもできるし、暇つぶしのネットサーフィンも快適だ。エコノミークラス利用でも、1時間あたり9.99米ドル、または24時間14.99米ドルのパッケージで接続できる。

座席番号と名前を入力すると機内インターネットが利用できる。

イスタンブール出発からおよそ10時間、中国・天津と大連の間の渤海上空付近で機内の照明が点灯。それからほどなくして到着前の機内食が提供された。こちらも主菜は2種類を掲載。

【前菜】スモークサーモンと根セロリのサラダ、ライスプディング

【主菜】エビとトマトソースのバターライス

【主菜】グリーンピースとミントソースのリガトーニ・パスタ

二度目の食事を終えたころ、搭乗機は日本の領空に入っていた。快適な空の旅もあと僅か。到着に備えて着替えや歯磨きをしていると、やがて機体は降下を開始。房総半島を西側から半周するようにして成田空港に着陸した。

快く撮影に応じてくれたTK52便の機長。

およそ12時間の長丁場のフライトとなるこの路線だが、フルフラットシートでゆっくりと睡眠がとれるため疲労感もそれほど感じない。食事時間を除くと6~8時間の睡眠時間が確保できるが、食事と睡眠だけでこの快適なフライトが終わってしまうのがもったいないほどだった。

ところで、ビジネスクラス利用客はイスタンブール空港出発前にCIPラウンジ「Lounge Istanbul」を利用できる。スカイトラックスによる格付けにおいて、ターキッシュエアラインズはラウンジ部門でも上位の常連で、2017年は「Best Business Class Airline Lounges(ベストビジネスクラスラウンジ部門)」および「Best Business Class Lounge Dining(ベストビジネスクラスラウンジ食事部門)」ランキングで1位を獲得した。前述の「Best Business Class Onboard Catering(ベストビジネスクラス機内食部門)」と合わせて、ビジネスクラス三冠王というわけである。

日本でも有名な洋菓子店「DEMEL」も実はDO&CO傘下。

カフェレストランのような雰囲気の一角も。

ラウンジの運営はTURKISH DO&COが担当。筆者が利用した際は時間帯の関係か、食事は準備中のものもあったが、日中はシェフが腕を振るうトルコ伝統料理や世界各国の料理が提供されているという。

この「Lounge Istanbul」、なにより規模が大きい。総床面積約5,900平方メートル、収容人数約1,000人という圧巻の広さの空間には、シャワールームなどの一般的な設備はもちろん、ビリヤード台やシミュレーションゴルフなど他のラウンジには見られないような設備もあり、フライトまでの待ち時間だけでは回り切れないほど。その全容は是非実際に訪れて体験してほしい。

(取材協力:ターキッシュエアラインズ)