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GENERATIONS、ついに全国ドームツアー開催へ 勢いづくグループの「今」をライブから読む

2018年01月01日 10:12  リアルサウンド

リアルサウンド

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 GENERATIONS from EXILE TRIBEが、ついに全国ドームツアーを迎えるーー。


(関連:GENERATIONS、なぜ今「Y.M.C.A.」をカバー? 1979年の時代背景から狙いを読む


 12月18日にエコパアリーナ(静岡)で開催された『GENERATIONS LIVE TOUR 2017 “MAD CYCLONE”』。その最終公演で発表されたサプライズを、ファンたちはどれほど待ちわびていただろうか。会場内に沸き起こった、まさに“サイクロン”と呼ぶべき大歓声は、その期待の大きさを物語っていた。


 GENERATIONSは、2011年にEXILE HIROのプロデュースのもと始動した。LDHが運営するダンス&、ボーカル、アクトスクール・EXPG STUDIO内のオーディションで、小森隼、佐野玲於、関口メンディーが選出され、劇団EXILEからは白濱亜嵐と町田啓太が、「VOCAL BATTLE AUDITION 2」のファイナリストからは片寄涼太と数原龍友が、その候補者となった。その後、メンバーはEXILE時代から続く伝統である「夢者修行」に挑み、役者の道を歩むことになった町田に代わり、サポートメンバーだった中務裕太が加入。7人を正式メンバーとして、2012年11月にシングル『BRAVE IT OUT』でメジャーデビューを果たした。


 あれから5年、GENERATIONSは海外公演も含めて数々のステージを経験し、「夢者修行」時代から付いていたファンはひとり、またひとりと増えていった。今回の『MAD CYCLONE』では、11カ所29公演を行い、GENERATIONS史上最多の42万6000人を動員。メンバーそれぞれが多方面で活躍し、リーダーの白濱亜嵐や関口メンディーはお茶の間レベルでの知名度も獲得した。来年1月1日には待望のベストアルバム『BEST GENERATION』をリリースすることも決定しており、その収録曲の一部はすでにYouTubeで確認することができる。EXILE TRIBEの中では若手グループとの印象が強かったGENERATIONSだが、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの人気グループとなっているのだ。


 『MAD CYCLONE』の圧倒的なステージングは、その勢いを確かに感じさせるものだった。センターステージに据えられた巨大な全方位型の映像設備に、未来的なデザインのド派手な「サイクロン」に乗ったメンバーが、時空を超えてパフォーマンスをするためにステージやってくるという壮大なオープニング映像が展開されると、いよいよメンバーが登場する。メンバーそれぞれのキャラクターに合わせた、ストリート系のファッショナブルな衣装は、LDH apparelのスタイリングによるものだろう。佐野玲於のスタイリッシュな黒縁メガネなど、小物ひとつとってもセンスが良く、徹底的にこだわっているのが感じられる。


 1曲目はもちろん、ツアーテーマソングである「MAD CYCLONE」だ。未来的なシンセサウンドが昂揚感を煽るEDMナンバーで、〈全部さらって行くよ 全部持って行くよ〉といった挑戦的な歌詞に、今のGENERATIONSの決意が垣間見える。そして、攻撃的なギターサウンドが強烈な「太陽も月も」、ミステリアスなシンセリフが耳に残る「PIERROT」と、ここ1年のヒット曲を連続で披露。出し惜しみのない選曲で、会場は一気に興奮の坩堝と化していく。


 ここで少し、GENERATIONSならではの特徴をおさらいしたい。GENERATIONSは、男性ツインボーカル&パフォーマーによる7人組のグループで、最新のダンスミュージックにメロディアスな歌を乗せるスタイルは、EXILEから受け継いだものだ。しかし、EXILEや三代目J Soul Brothersとは異なる独自のカラーも確立しており、そこが今、注目を集めるポイントとなっている。


 まずひとつめの特徴は、甘く透明感のあるツインボーカルだ。数原龍友による艶のあるセクシーな歌声と、片寄涼太による繊細で伸びやかな歌声のハーモニーは、楽曲に瑞々しさと切なさをもたらし、ワイルドさやクールさを感じさせた先輩グループとはまた違った魅力となっている。激しいEDMの楽曲でも爽やかに聴かせることができ、逆にバラードではとろけるほどメロウなアプローチができるのは、GENERATIONSの強みである。


 4曲目に披露された、PKCZ®とのフィーチャリング曲「ROAM AROUND」は、そんなGENERATIONSの音楽的特徴に新たな側面を与えた楽曲といえるだろう。流行のトロピカルハウスに真正面から挑戦した、エキゾチックで大人っぽい楽曲で、数原龍友と片寄涼太の軽やかなボーカルの美点を引き出していた。ここ数年のラップのトレンドを取り入れた、三連の譜割りも小気味よく、会場全体がリズムに乗って揺れていたのが印象的だった。


 一方で、抽選で選ばれたファンをステージに上げて、その目を見つめながら歌い上げた「Love You More」などのバラードは、二人の歌声の魅力をストレートに表現した楽曲だ。シンプルなダウンテンポのトラックに乗せて、〈I’m crazy crazy crazy crazy for you〉と切なく歌うその姿には、同性ながら思わず見惚れてしまった。ステージに上がったファンの涙ぐむ表情も忘れられない。


 GENERATIONSのふたつめの特徴は、ユニークで親しみやすいダンスだ。GENERATIONSは、シェイクやクランプ、フットワーキングなど最新のダンスも得意としているが、サビ部分では、一度見たら忘れられないキャッチーで楽しい振り付けを披露することが多い。たとえば、「BIG CITY RODEO」の“ピーカーブーダンス”や、GENERATIONSの代表曲のひとつである「AGEHA」の羽ばたくような振り付け、そして極め付けは、先日ミュージックビデオが発表されたばかりの、西城秀樹のカバー曲である「Y.M.C.A.」。高度なダンススキルで魅せるだけではなく、ファンと一緒に踊れるポイントを設けることで一体感を生み出していくのは、GENERATIONSのライブの醍醐味である。


 メンバーそれぞれが明確なキャラクターを持ち、まるでバラエティ番組を見ているかのような軽快なトークを披露することができるのも、GENERATIONSの特徴だ。今回のライブでは、相も変わらず数原龍友が下ネタを披露し、片寄涼太がそれを止めるという定番のやり取りが見られたほか、アンコール後のVTRでは小芝居で、関口メンディーが徹底的にイジられる様子もあった。そんなメンバーの微笑ましい関係が、多くの女性ファンのみならず、男性ファンの心を虜にしていることはいうまでもないだろう。


 もちろん、各メンバーは単に面白いだけではなく、パフォーマー陣もそれぞれ強力な武器を持っている。今回のライブではソロコーナーがさらに充実し、メンバーのさらなる成長も感じられた。白濱亜嵐はその甘いマスクで俳優としても人気が高いが、ライブではDJ ALANとして、披露しきれなかった楽曲をノンストップでミックス。サンプラーを使って、DJ Shadowの名曲「Organ Donor」のフレーズを弾いてみせるなど、音楽ファンをニヤリとさせる演出も見事だった。


 GENERATIONSはメンバー自らがほとんどの振り付けを考案しているが、その中心人物となるのは、佐野玲於と中務裕太だろう。個性的なファッションに身を包み、挑発的なクランプを得意としている佐野玲於だが、来年夏には俳優として映画『虹色デイズ』の主要人物のひとり、羽柴夏樹を演じることも決まっている。中務裕太は、今回のライブでアクロバットに挑戦。メンバー随一のバネを使ったダイナミックな振り付けには、観客を一瞬で惹きつけるパワーがある。


 恵まれた体躯とファンキーなキャラクターで老若男女に愛される関口メンディーは、そのエネルギッシュなダンスも当然魅力的だが、今回はラップでも存在感を示した。HONEST BOYZ®のメンバーとしても活躍するメンディーだけに、さらなるスキルアップが期待される。そして、「小森カッター」のネタも定着してきた、メンバー1の面白キャラである小森隼。ソロダンスでは俊敏なフットワーキングで、その確かな実力を見せつけた。


 GENERATIONSは来年、『BEST GENERATION』のリリースを皮切りに、今回発表された来春の全国ホールツアー『GENERATIONS LIVE TOUR 2018 “UNITED JOURNEY”』まで、怒涛の展開を予定している。ライブでEXILEの名曲「I Believe」を披露し、ベストアルバムでは「Lovers Again」をカバーしたことからもわかるように、すでにバトンは渡されている。“GENERATIONS”の名の通り、彼らの世代が音楽シーンの中心となり、日本中を盛り上げていく日は近い。まずは、元旦に発売されるGENERATIONSの魅力が詰まったベストアルバム『BEST GENERATION』を聴いて、ドームツアーでスケールアップすること間違いないNEXT LEVELのパフォーマンスを想像しながら楽しみに待ちたいところだ。(松田広宣)