年末年始でゆっくり休めるはずなのに、「仕事のことが気になって仕方がない」「せっかくの休みなのに気分が晴れない」。
そんな人は、「休日うつ」かもしれない。
仕事と人生を充実させるために上手な休み方のコツを紹介した『休む技術』(大和書房刊)の著者で、医学博士の西多昌規氏よれば、昨今、「休日になると手持ちぶさたで仕事が気になり、休みを楽しめない人が見受けられるようになった」という。
西多氏はこうした仕事のない週末に不安を感じる症状を「週末うつ」と表現している。これは、「休日うつ」「休みうつ」と言い換えてもいいだろう。
休日や長期休暇に心身を休ませることができなければ、いざ仕事に取り掛かっても効率は落ちるし、実質的な休息がとれていなければ、心身を壊してしまう可能性すらある。
そこで、年末年始に仕事モードをオフにして、休みを楽しみ、心も体もリフレッシュできる上手な休み方のコツを本書からいくつか紹介しよう。
■正月休みを満喫するテクニック
休日でも仕事のことが頭から離れない人にもっとも有効なのが、
休日の午前と午後で時間を区切ることだ。
つまり、休日も仕事の雑念が入ってくることはやむを得ないと割り切り、むしろ仕事や雑事を考える時間を決めてしまうのだ。そのかわり、それ以外の時間には100%仕事のことを排除して、運動なり映画なり、自分の好きなものの時間にあてる。
どうせ休日も仕事のことで頭を悩ますなら、あえて仕事のことを考える時間をつくり、効率的に制限しようというのが、午前と午後で時間を区切ることの狙いだ。西多氏によれば、「休みの日を時の流れのままに過ごすのは、実は贅沢な時間の過ごし方で、とても難しい」という。午前は仕事のことを考えても、午後からは別の予定に入ると思えば、切り替えもしやすくなるだろう。
また、
休日は「静的」「動的」を使い分けるのが上手な休み方のポイントだという。
静的な休息は、家でのんびりしたりカフェでくつろいだり、基本的には何もしない休み。動的な休息は、運動やレジャーや買い物といったアクティブに楽しむ休みだ。
「午前と午後で時間を区切る」を応用し、時間を「午前」「午後」「夜」に三分割すれば、午前は仕事のことを考え、午後は「動的」、夜は「静的」に休むといったバランスの良い休日にすることもできる。もしくは、「今日は静的に休んで、明日は動的に休もう」というバランスのとり方もできるだろう。
■休み明けからはじめたい「適度な仕事の休み方」
せっかく年末年始の長期休暇で休めても、仕事が始まってからも上手に休めなければ、心身の疲労は溜まる一方だ。そこで、仕事をしながらも適度に休むコツも紹介しよう。
まず、「休むことも仕事のうち」だと考えるようにすることが大切だ。
日本人は「休む=悪いこと」という強迫観念を持っている。しかし、適度に休まなければ、仕事の効率は落ちるし、結果的に周りにも迷惑をかける。だから、「適度な休息は必要」だと考えるようにしよう。
西多氏が勧めるのは、すきま時間でできる
「5分間瞑想」だ。瞑想というと難しい印象があるが、本格的な瞑想やマインドフルネスのライト版で、
ちょっとの間「ボーっとする」程度でいいという。
方法もいたって簡単だ。できれば静かな場所で雑音を断ち、ボーっとするだけ。このとき呼吸を意識すると効果倍増だ。目を閉じて、腹部に力を入れ、圧力を内蔵全体にかけるイメージで呼吸を行うと、身体をリラックスさせる働きをする副交感神経が活発になる。そして、息を吐くときは吸うときよりも倍の時間をかけ、ゆっくりと呼吸する。
昼休みや仕事が一区切りついたときに、手軽にできる休息法として覚えておきたい方法だ。
■人付き合いで疲れたときの休み方
休暇中でも仕事がある平日でも、人間関係で疲れてしまうことがある。人と接するときには、程度の差はあれ緊張感があるものだし、気遣いもする。
人付き合いの疲れから解放されるには、休息の時間をつくることが大切だ。
最も良い方法は
「隠れ家」を持つことだ。落ち着いたカフェやバー、図書館や公園など、自宅と職場以外で自分らしく一人の時間を満喫できる場所をつくっておくのだ。
年末年始の親戚付き合いが面倒臭い、職場で人間関係に疲れた。そんなときに心を充電できる場所を見つけておくといいだろう。
本書では他にも、仕事中の上手な息抜きの仕方、睡眠の質の上げ方のコツや考え方が紹介されている。年末年始の「静的な休み」として、「隠れ家」で読んでみてはいかがだろうか。
(ライター:大村佑介)