12月28日、28号車オレカ07・ギブソンでWEC世界耐久選手権のLMP2クラスに参戦しているTDSレーシングは“スーパーシーズン”と呼ばれる2018/19年シーズンも引き続きシリーズに参戦する意向を明らかにした。
2017年にWECへの参戦を開始したTDSレーシングは、2016年のLM-GTEアマクラスチャンピオンとなったエマニュエル・コラールとフランソワ・ペロードの2名に同年のV8 3.5シリーズに参戦していたマシュー・バキシビエールを加えた体制でLMP2クラスに新規参入。デビュー戦となった開幕戦シルバーストンで3位表彰台を獲得した。
しかし、第2戦スパ・フランコルシャン以降はル・マン24時間レースを除くシリーズ全戦で完走するも上位進出は叶わず。チームランキングは10チーム中8位という結果に終わっている。
来たる“スーパーシーズン”に向けて体制の強化を図るチームは、2013年のWECとル・マンの両方で栄冠を手にし、2017年はアウディ・ワークスドライバーとしてDTMに参戦したロイック・デュバルを新たに迎え入れた。
2016年限りでアウディがLMP1から撤退したことでWECでの活動を休止していたデュバルは、今季最終戦が行われたバーレーンでTDSレーシングと提携するG-ドライブ・レーシングの26号車オレカ07・ギブソンをドライブし約1年ぶりのシリーズ復帰を果たしたばかりだ。
そんなデュバルは、ベテランドライバーのコラールに代わってペロード、バキシビエールのふたりと28号車オレカをシェアすることになる。
「アウディのワークスプログラムと並行してWECとル・マンに戻れてとても嬉しいよ。また、常に激しいバトルが行われている環境でレースをすることに興奮しているんだ!」とデュバル。
2018年からともに戦うTDSレーシングの印象について「彼らはプロのレースチームだが、同時に“ファミリー感”がとても強い。今シーズンはとても楽しいものになるだろうね」と語った。
「今回、素晴らしい機会をくれたチームに感謝したい。僕はフランソワ(・ペロード)を助けながらマシュー(バキシビエール)の先導役になれたらいいと思っているんだ。LMP2クラスでのレースが待ちきれないよ!」
自身のドライビングスキルを向上させ、表彰台獲得を目指すというペロードは「ロイック(・デュバル)はチームに喜びをもたらす“キーマン”だ」とコメント。
「2017年は本当にエキサイティングだったが、正直に言ってLMP2マシンのドライブはとても難しかった。シーズン終了後にはELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズやGTクラスへの復帰を真剣に考えた」
「しかし、LMP2という素晴らしいマシンと、WECが用意したル・マンが1シーズンに2回、さらにセブリング1500マイルの追加というジェントルマンドライバーにとって夢のようなカレンダーを見てシリーズに残ることを決断したよ」
「僕の両隣には経験豊富なロイック(・デュバル)と、親友であり優れたスピードを持つマシュー(・バキシビエール)が居る。2018/19年は楽しく、そして、うまくいけば何度か表彰台に立てるだろう」
LMP2クラス参戦1年目ながらほぼすべてのレースで完走を果たし、ポイントを獲得してきたTDSレーシング。来季もG-ドライブ・レーシングとの2台体制となるのかは現段階では不明だが、2017年に集めた各種データと各ドライバーの経験値、そして新加入した王者デュバルの強さと速さが組み合わされば、今季果たせなかった上位進出の可能性はぐっと高くなるはずだ。