IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ(WSCC)に参戦するスプリット・オブ・デイトナ・レーシングは2018年、マット・マクマリーとトリスタン・ボーティエの2名を新たにチームに迎えるとともに、使用するマシンを『リジェJS P217・ギブソン』から『キャデラックDPi-V.R』に変更すると発表した。
2015年からビジット・フロリダ・レーシングのバナーの下で活動してきたスプリット・オブ・デイトナ・レーシングは、自動車メーカーがWEC世界耐久選手権などで用いられるLMP2マシンをベースにエクステリアデザインや搭載エンジンを自由に変更できるデイトナプロト・インターナショナル(DPi)規定が導入された2017年シーズン、これまで使用してきた『コルベット・デイトナプロト(DP)』からライリーのLMP2マシン『ライリーMk30・ギブソン』にマシンをスイッチ。迎えた開幕戦のデイトナ24時間では総合3位を獲得した。
しかし第2戦セブリング以降はマシンの信頼性に泣かされ成績が低迷。チームはシーズン中盤にオンローク・オートモーティブの『リジェJS P217・ギブソン』へのマシン変更を決断すると、投入後わずか2戦目の第11戦ラグナセカで今季初優勝を飾った。この優勝は2017年のWSCCにおけるLMP2マシン唯一の勝利となっている。
そんな乱高下のシーズンを終えたチームは来たる2018年シーズン、4年ぶりに自チーム名義で北米耐久シリーズに挑むため、若手のマクマリーとインディカードライバーであるボーティエの起用を発表。さらに、参戦マシンを終盤3戦で使用したリジェから今季開幕7連勝を達成した『キャデラックDPi-V.R』に変更するとアナウンスした。
「2017年シーズンはとても厳しい戦いを強いられたが、チームとして多くのことを学びながら改善ができたと思う。ラグナセカでの勝利はそれらを実証したものだ」と語るのはチームオーナーのトロイ・フリス氏。
「我々はシーズン終盤の勢いを保ったままキャデラックDPiで幸先の良いスタートを切ることに集中している」
「その点でコルベットDPで成功を収めた当時、一緒に働いていたメンバーとふたたび仕事ができることは大きな意味を持つだろう。うまくいけば、すぐに新車のスピードアップに役立つはずだ。新しいクルマとフレッシュなパッケージで挑む2018年が楽しみだよ」
2014年に16歳という若さでル・マン24時間レースに参戦し歴代最年少出場記録を持つマクマリーは2017年シーズン、GTDクラスに参戦するパーク・プレイス・モータースポーツからデイトナ、セブリング、ロード・アトランタの長距離レース3戦にスポット参戦した。
スプリット・オブ・デイトナ・レーシングに抜擢されたマクマリーは「競争が激しいIMSAシリーズにフル参戦できること、そして優勝できる力を持ったチームからプロトタイプクラスにステップアップできて、とても興奮しているんだ」とチームへの加入を喜ぶ。
また、フォーミュラカーからブランパンGTシリーズなどのGTカーまで豊富な経験を持つボーティエは「スプリット・オブ・デイトナ・レーシングに迎えられたことをとても光栄に思っている。2017年は厳しい状況にあったが、とても良いチームだ」とコメント。
「リック(・キャメロン:ボーティエが2011年にスター・マツダ・チャンピオンシップでチャンピオンを獲得した際のエンジニア)と、また一緒に仕事できるのもうれしいよ。彼と僕は良い経験を持っていから、マット(・マクマリー)とも素晴らしい歴史を作っていけるはずだ」
スプリット・オブ・デイトナ・レーシングは年明けの1月5~7日にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催される事前の公式テスト『ロア・ビフォア・ロレックス24』でキャデラックDPi-V.Rをシェイクダウンさせる。
また、チームはこのイベントの前に商業パートナーとデイトナ24時間、セブリング12時間などの長距離レースで起用する追加ドライバーを発表する予定だ。