ヴァージン・グループの創設者で億万長者のリチャード・ブランソンは、フォーミュラEはF1に取って代わりつつあり、次の10年でモータースポーツにおける主要なシリーズになるだろうと述べた。
ヴァージンは2010年から2011年にかけてF1に参入したものの、大方の予想通り結果は不調に終わった。しかしフォーミュラEでのDSヴァージン・レーシングチームは先頭集団で戦っている。
フォーミュラEは、必要不可欠とされる再生エネルギーの登場と完全に調和した哲学を持っており、67歳のブランソンは、このシリーズに強く入れ込んでいる。彼は中国のThe Postに、以下のように語った。
「フォーミュラEは、気候変動のような問題への関心を高めるために、多くのことを行ってきた」
「我々は、レースファンから政府にいたるまで、人々が気候変動のような問題に対してそれぞれの役割を果たすよう、思い起こさせる立場にあるのだ」
「世界がパリ協定の目標を達成するための取り組みを後押ししていく。チームはフォーミュラEを通じて、そういったことを成し遂げたいと強く願っている」
「フォーミュラEは、電気自動車における先進技術に光を当てる素晴らしい基盤だ。また、電気自動車は遅くも退屈でもなく、むしろクールで楽しいものであり、持続可能だということを示している」
急成長中のフォーミュラEはまだ初期段階にあり、主要都市での開催を実現するための取り組みを続けている。同シリーズのロジスティクスには高いコストがかかるため、その存在を疑問視する声もあるからだ。
モントリオール市では2017年のフォーミュラE開催に伴う財政負担に市長が懸念を示し、最近になって来夏に予定されていたダブルヘッダーのシーズン最終戦がキャンセルとなった。
ブランソンは、苦難の道が先に待ち受けていることを認めているが、各国政府から必要な支援がなされれば、最終的にフォーミュラEは広く開催されるようになると考えている。
「非常にエキサイティングだ。フォーミュラEは急成長を遂げており、毎シーズン新しい取り組みが行われている」
「もしF1が今のやり方を続けるのなら、今から10年後にはフォーミュラEがF1に取って代わるに違いないと私は予想する」
「世界はクリーンなクルマを必要としているのだから、そうなるべきなのだ。我々は環境を汚すクルマを捨てなければならない。フォーミュラEはその道を切り開くことができる」
「政府がフォーミュラEを支援することは非常に重要だ」
「支援が得られる時もあれば、そうでない時もある。しかし、より多くの都市がフォーミュラEの重要性に気づけば、状況はより良くなっていく」