メルセデスF1チームのトップであるトト・ウォルフは、2018年シーズンは『W08』から“ディーバ”気質を取り除いたような、落ち着いたマシンを持つことが必要だと述べている。
今シーズンの前半、扱いがあまりにも難しかったこの特性を取り除くよう、ウォルフはメルセデスの技術部門に求めている。
ウォルフは10月の時点でも「我々のマシンはいまだにディーバ気質だ」と語っていた。つまり、ある週はメルセデスが圧倒的勝利を飾り、次の週はフェラーリやレッドブル相手に苦戦を強いられるという可能性があったのだ。
フェラーリは2017年シーズンの開幕戦オーストラリアGPで優勝した。シーズン序盤のレースにおける戦いの状況は激しく変化した。しかしながらモナコGPでの不調により、メルセデスは劣勢に立たされた。
チームがついに、完全にマシン性能を掴んだのは、サマーブレイクが終わってからだった。チームは激しい反撃に転じ、とうとうルイス・ハミルトンがセバスチャン・ベッテルから首位の座を奪い取ることに成功した。
ウォルフは来シーズンに同じことを繰り返さないようにしたいと考えている。2018年シーズンは開幕からの接戦が予想されており、一貫性を保つことがタイトルを勝ち取るうえでの鍵になるからだ。
「“ディーバ”の性能は残したいが、手に余る部分は取り除きたい。最後には最も速いマシンになったが、それでもまだ気難しさがあった」とウォルフは語った。
2017年シーズンを『W08』は最高の状態で終えている。メルセデスはアブダビGPで圧倒的優位に立ち、他のチームを完全に打ち負かした。しかしそれが来シーズンへ向けての兆候だとは受け止められないことを、ウォルフは理解している。
「ペースを読み取るには注意が必要だ。最終戦でいかに自分たちが素晴らしかったかを、肩を叩きあってねぎらう気にはならない」
「来シーズンのマシンでも使用される部分のすべてを把握してきたか、確かではない。疑い深く隅々まで調べ尽くし、マシンの欠点を最適化する方がいい」
F1公式サイトのインタビューで、来シーズンは同じトップ3のチームがタイトルを争うことになるだろうと、ウォルフは予想を語った。
「勝つことは年を追うごとにより難しくなっている。メルセデス、フェラーリ、レッドブル・レーシングの戦いを目にすることになるだろう」
「もしかするとマクラーレン・ルノーがタイトル争いに絡んでくるかもしれない。ファンにとってはエキサイティングな展開だ」
「当然のことながら、冬の間に適切な判断を下したいと思っている。ミスを最小限にして、レースに臨む」
「勝つことができれば、自分たちが良い仕事をしたということが分かる」