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安室奈美恵、ミスチル、スピッツ、エレカシ、ゆず、キンキ…周年&ベスト盤充実した1年振り返る

2017年12月26日 08:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 安室奈美恵、Mr.Children、KinKi Kidsなど、“周年”の節目を迎えたアーティストが次々とベストアルバムをリリースした2017年。今年最後の「本日、フラゲ日!」は特別編として、新譜ではなく、今年を代表するベストアルバムを紹介したい。名曲・ヒット曲で彩られたビッグアーティストの軌跡をぜひ追体験してほしいと思う。


(関連:安室奈美恵『Finally』は単なるベストではない 25年を経て辿り着いた“最新作”としての捉え方


■安室奈美恵『Finally』
 2018年9月16日をもって引退することを宣言した安室奈美恵の初のオールタイムベストアルバム『Finally』は、発売日前に出荷100万枚を突破、その影響力の強さを改めて証明した。デビューシングル収録曲「ミスターU.S.A.」(1992年)から最新曲「Just You and I」(2017年)まで全シングルを収録。2014年までの楽曲39曲はすべて新録バージョンによる本作は、四半世紀に及びキャリアを網羅すると同時に“最新型の安室奈美恵”を提示する作品だ。“原曲を入れてほしかった”“新しいバージョンが聴けてうれしい”と最後の作品でも賛否両論を巻き起こすところも、常に挑戦を続けてきた彼女らしさの表れと言えるだろう。2018年2月からは5大ドームツアーがスタート。9月16日当日まで、その注目度は高まり続けるはずだ。


■Mr.Children『Mr.Children 1992-2002 Thanksgiving 25』『Mr.Children 2003-2015 Thanksgiving 25』
 デビュー25周年を迎えた2017年5月10日、シングル曲を中心に25曲ずつを収録した配信限定ベストアルバム『Mr.Children 1992-2002 Thanksgiving 25』『Mr.Children 2003-2015 Thanksgiving 25』をリリースしたMr.Childrenは、6月から9月にかけて全国ツアー『Mr.Children DOME&STADIUM TOUR 2017 Thanksgiving 25』(全公演で70万人を動員)を開催するなど、アニバーサリーイヤーにふさわしい大規模な活動を展開。ドラマ『コード・ブルー』シリーズ(フジテレビ系)主題歌「HANABI」の再ヒット、映画『君の膵臓を食べたい』の主題歌「himawari」も広く人気を得るなど、その普遍的な魅力を改めてアピールすることに成功した。10~20代の音楽ファンの浸透度も高く(ライブには若い人が驚くほど多い)、その人気はまったく衰えそうにない。


■スピッツ『CYCLE HIT 1991-2017 Spitz Complete Single Collection -30th Anniversary BOX-』
 デビュー曲「ヒバリのこころ」、代表曲「ロビンソン」「楓」、最新シングル「みなと」などをコンパイルしたスピッツのベスト盤『CYCLE HIT 1991-2017 Spitz Complete Single Collection -30th Anniversary BOX-』がヒット。30周年を記念したアクションは7月から10月にかけて行われた全国ツアー『SPITZ30th ANNIVERSARY TOUR“THIRTY30FIFTY50”』だけで、プロモーションはほとんど皆無。あくまでもライブバンドとしての姿勢を貫くことによって、そのカリスマ性をさらに高めてみせた。2018年1月からは“地球で生まれ育まれた音楽を次の世代へ伝える”ことを目的としたラジオ番組『SPITZ 草野マサムネのロック大陸漫遊記』(TOKYO FM)がスタート。音楽だけに特化した純度の高さこそが、このバンドの魅力だ。


■エレファントカシマシ『All Time Best Album THE FIGHTING MAN』
 初のオールタイムベストアルバム『All Time Best Album THE FIGHTING MAN』、1988年の伝説的なライブの模様を収めた映像作品『エレファントカシマシ~1988/09/10 渋谷公会堂~』のリリース、3月から12月かけてバンド史上初となる47都道府県ツアー『30th ANNIVERSARY TOUR 2017“THE FIGHTING MAN”』を敢行、さらに『第68回 NHK紅白歌合戦』(NHK総合)への出演が決定するなど、30周年のアニバーサリーを全力で駆け抜けたエレファントカシマシ。生々しい感情をリアルに刻み込んだ楽曲を生み出し続け、さまざまな困難を乗り越えてきたエレカシが、こんなにも華やかに30周年を飾ったことは、一人のファンとしても非常に感慨深い。2018年3月17日に行われる、さいたまスーパーアリーナ公演にも大いに期待したい。


■ゆず『YUZU 20th Anniversary ALL TIME BEST ALBUM 「ゆずイロハ 1997-2017」』
 ゆずのデビュー20周年を記念したベストアルバム『YUZU 20th Anniversary ALL TIME BEST ALBUM 「ゆずイロハ1997-2017」』は、テーマ別に選曲された3枚組。エバーグリーンな魅力を備えたデビュー曲「夏色」、オリンピックソングの定番「栄光の架橋」、連続テレビ小説『ごちそうさん』(NHK総合)主題歌「雨のち晴レルヤ」といったヒット曲を網羅、さらに各ディスクにいきものがかり、back number、SEKAI NO OWARIとのコラボレーション楽曲を収録したことも話題になった。ドームツアー『YUZU 20th Anniversary DOME TOUR 2017 ゆずイロハ』の終了後には、アコースティックをコンセプトにした『「謳おう」EP』(5曲入り)、愛をテーマにした『「4LOVE」EP』(8曲入り)を連続リリース。国民的グループとなったゆずは、止まることのない制作意欲とともに未来に向かって進み続けている。


■KinKi Kids『The BEST』
 12月6日にCDデビュー20周年を記念したベストアルバム『The BEST』を発表したKinKi Kids。松本隆、山下達郎のコンビによるデビュー曲「硝子の少年」から、久保田利伸のペンによる38thシングル「The Red Light」まで全シングルを収録した本作には、優れたヒットメイカーたちとタッグを組んだ名曲の数々がずらりとラインナップされている。堂本剛が突発性難聴を発症、ライブ活動を休止するアクシデントもあったが、年末のドーム公演で見事に復帰。豊かな表現力、正確なピッチ、シックな手触りを感じさせる声質を併せ持った堂本剛、堂本光一のハーモニーは、さらなる成熟の時期を迎えていると言っていいだろう。(森朋之)