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A.B.C-Z、年末を飾る新シングルの聴きどころは? 豪華作家陣によるサウンドと歌詞から考察

2017年12月24日 10:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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参考:2017年12月25日付の週間CDシングルランキング(2017年12月11日~2017年12月17日)


 2017年12月25日付の週間CDシングルランキングの2位は、A.B.C-Z『終電を超えて~Christmas Night/忘年会!BOU!NEN!KAI!』。A.B.C-Zの4枚目となるシングルです。


(関連:A.B.C-Z、舞祭組、ジャニーズWEST……伸び盛りなグループの楽曲は“コンセプト重視”に?


 「終電を超えて~Christmas Night」の作曲は、映画『デメキン』の主題歌「一秒のあいだ」を11月21日に配信リリースしたLEGO BIG MORL。そして、作詞はLEGO BIG MORLのタナカヒロキです。編曲は、A.B.C-Zの「Twinkle Twinkle A.B.C-Z」「Smiling Again」「DREAMIN’!!」「ドキナツ2017」もアレンジしてきた生田真心。彼はSexy Zoneをはじめとするジャニーズ関連楽曲を多く編曲しているほか、AKB48の「ポニーテールとシュシュ」「フライングゲット」など、48グループ関連楽曲も多数編曲しています。


 「終電を超えて~Christmas Night」はタイトル通りのクリスマスソング。同時期にリリースされたLEGO BIG MORLの「一秒のあいだ」が、ソリッドでシリアスなギターロックであるのに対して、「終電を超えて~Christmas Night」は、ブラスセクションやストリングスの音色が響くゴージャスなサウンドです。冒頭から鈴の音が鳴っているほどですから。タナカヒロキによる歌詞、LEGO BIG MORLによるメロディ、生田真心によるサウンドのどれもが、「クリスマス」という概念に対して尋常ならざる集中力でイマジネーションを膨らませているのが「終電を超えて~Christmas Night」。サウンドのスウィング感に乗せてA.B.C-Zが歌いあげている点も、彼らのボーカルの魅力を引き出す結果になっています。


 もうひとつのタイトル曲「忘年会!BOU!NEN!KAI!」は、前山田健一が作詞作曲、CHOKKAKUが編曲という強力なコンビによる楽曲。驚愕したのは、ジャズファンクのようなスリリングなサウンドであることでした。ブラスセクションの音色とリズムセクションが大活躍で、オルガンの音色やギターの入れ方も実に洒落ています。1月から12月までの出来事を歌詞に入れたり、「ぼ」「う」「ね」「ん」「か」「い」のそれぞれで始まる歌詞を入れたりするなど、前山田健一らしいひねりとユーモアも光ります。CHOKKAKUによるサウンドで、それがさらにバーストを起こしている感があるのが「忘年会!BOU!NEN!KAI!」です。


 通常盤のカップリングは「サポーターズ!」で、作詞作曲はNONA REEVESの西寺郷太、編曲は谷口尚久。西寺郷太のソングライティングは期待に見事に応えるもので、ときに伸びやかで、ときに繊細なメロディを書きおろしています。冒頭とラストで甘くしっとりと歌いあげるのも心憎い構成。「サポート」をキーワードにした歌詞もファンのひとりひとりの胸に響くでしょう。まさにエバーグリーン。


 2017年の年末を飾る見事な年越しシングルが、A.B.C-Zの『終電を超えて~Christmas Night/忘年会!BOU!NEN!KAI!』です。(宗像明将)