民進党前代表で現在、希望の党に所属している前原誠司氏が、来日中のスティーブン・バノン氏の夕食会に参加したことを12月19日に自身のツイッターで明かし、批判を浴びている。バノン氏は、トランプ大統領の大統領選勝利を陰で支えた人物で、政権では今年8月まで主席戦略官として活躍。イスラム圏からの入国拒否政策やTPP脱退などの政策に影響を与えた。
極右的思想の人物として知られており、更迭後は、保守系ニュースサイト「ブライトバード」の会長に戻った。17日に来日してからは、NHKを「フェイクニュース」と批判するなど、何かと話題の多い人物である。
新潟県知事「好きでない人と会って話すのも仕事だが、笑って握手する写真は添えない」
バノン氏に会った前原氏は、ツイッターに
「昨夜、来日中のスティーブン・バノン氏との夕食会に参加しました。仕事のためにお酒も飲まなければ、ゴルフもしないというストイックさと、雄弁さに感銘を受けました。有意義なひと時をありがとうございました」
との文章と、笑顔で握手を交わす写真を投稿していた。
たかが夕食会ではあるが、政治家は誰と親しくしているかがイメージに大きく影響することもある。そういう意味では、バノン氏は注意して接するべき人物だろう。
新潟県知事の米山隆一氏も前原氏のツイートに言及。「政治家となれば、好きな方ともそうでもない方とも幅広く会って話すのは当然です」と前置きした上で、
「ただそうでもない方と会った場合は、通常にこやかに握手をしている写真を添えてツィートはしません」
と苦言を呈した、希望の党政調会長で、野田内閣で防衛副大臣を務めた長島昭久氏も「いくらなんでもバノンはまずい」とツイート。前原氏への直接の言及は避けたものの、同氏の行動を受けての呟きだと思われる。
著名人では、映画評論家の町山智浩氏が前原氏のツイートに返信する形で「スティーブン・バノンが誰だか本当に知っているんですか?」とコメントしていた。バノン氏の人となりを知っていれば政治家の立場で会わない、もしくは、会ってもこんな形で公にするのは常識的に考えられない、との見方が一般的のようだ。
嬉しそうに握手する画像を見たネットユーザーからは、前原氏もバノン氏と同じ人種差別的思想の持ち主なのではないかとの憶測や、「前原氏はストイックさと雄弁さに感銘を受けただけで、思想は何一つ肯定していない」との反論が飛び交っている。