演出家の平田オリザさんが、自身が主宰する劇団「青年団」をセクハラのだしに使われたことに激怒している。同じく演出家の市原幹也さんが青年団の舞台に出演できるよう口利きをすると匂わせ、セクハラを行っていたというのだ。
平田さんは12月21日、青年団の公式サイトに「市原幹也氏のセクハラ問題について」という文書を投稿し、
「私個人としては、劇団の名前を犯罪行為に使われたわけですから、はらわたの煮えくりかえる思いです。被害者の受けた心の傷は長く癒えることはなく、またセクハラは再犯性が強いので、市原氏には二度と演劇界には関わって欲しくないと個人的には思います」
と怒りを露わにした。
「青年団のキャスティングについて、口利きといったことは存在しません」
文書によると、平田さんと市原さんはほとんど面識がなく、市原さんが青年団の活動に関わったこともないという。市原さんが「青年団の舞台に立たせてやる」と言っていたことについては、
「青年団の公演のキャスティングは、私が一元的に担っており、劇団内でも最高機密事項として、制作陣にも相談することはせずに決めています。ですから口利きといったことは、そもそも存在しません」
と否定した。青年団はセクハラ・パワハラに厳しい規定を設けており、劇団員が講師を務めたり、客演をしたりするときも異性の参加者と個別に食事をしないように徹底しているという。
「青年団での仕事を紹介してあげる」「俺と寝たら売れさせてやる」
今月17日、市原さんのセクハラを告発するツイートが複数投稿されていた。ある女性は高校生のとき、「青年団での仕事を紹介してあげる」などと言われてセクハラをされたといい、「市原幹也、忘れてないからな。私たちの夢を性欲の捌け口にするな。一生忘れない」と怒りを露わにしていた。
他の女性もツイッターで、「『俺と寝たら売れさせてやる』って言われたな」「青年団の舞台に立たせてやる、とか他の方に言ってたらしい」と被害を訴えていた。
こうしたツイートを受けて、市原さんは12月19日、自身のサイトに「お詫び」を掲載。「告発の内容には、心当たりがあります」とセクハラがあったことを認めた。そのうえで、「与えた精神的な被害については十分に謝罪をしたいと考えています」「これまでにも他に私の言動によって精神的苦痛を与えた方がいらっしゃる可能性を考え、自分の過去の言動を省みています」と謝罪している。