12月19日、アストンマーチン・レーシングは2017年限りでのBMW離脱を明らかにしたマキシム・マルタンをチームに迎え、WEC世界耐久選手権LM-GTEプロクラスのドライバーに起用すると発表した。
今年11月に市販モデルのフルモデルチェンジに伴い2018/19年スーパーシーズンより、過去8年間にわたって使用してきた現行型『バンテージGTE』からターボエンジンを搭載する“新型”へと参戦車両をスイッチすることを発表したアストンマーチン・レーシング(AMR)。
モデルチェンジと同時にアレックス・リンの新加入をアナウンスしているチームは今回、新たに2014年から今季までBMWワークスドライバーとしてDTMを戦ってきたマルタンを迎え、より一層の戦力アップを図った。
「マキシム(・マルタン)については数年前から(獲得に向けて)目をつけていたんだ。アストンマーチン・レーシングは彼の加入をよろこび、そして歓迎している」と語るのはAMRを率いるポール・ハワース代表。
「彼は非常に才能のあるGTドライバーであり、我々が誇る強力なドライバーラインアップをより強固なものにするだろう」
そんなマルタンは7年前の2010年、FIA GT1世界選手権に参戦するマルクVDSレーシングのフォードGTをドライブしていたが、当時、同シリーズに『アストンマーチンDBR9』で参戦していたAMRはその頃からマルタンに注目していたという。
翌年の2011年、マルタンはチーム・クルノス/マルクVDSレーシングからル・マン24時間にデビューし、『ローラ・アストンマーチン(アストンマーチンDBR1-2)』を駆って総合7位入賞を果たすと2012、2013年もLMP2クラスからル・マンに参戦している。
5年ぶりとなるル・マン参戦が楽しみで仕方ないと語るマルタンはAMRへの移籍について「WECの“スーパーシーズン”にアストンマーチン・レーシングの一員として参加できることが決まって、とても嬉しいよ」とコメント。
「僕は過去にアストンマーチン・レーシングのマシンをドライブしてきた。そうした経緯からここ数年、チームとの接触を重ねてきたんだ。素晴らしいマニュファクチャラーのもとで、ドライバーとして次のステップを踏み出せることを光栄に思っている」
「チームの移籍は大きな変化であるとともに新しいチャレンジになるだろう。しかし、新しい『バンテージGTE』がデビューするこのタイミングで環境を変えたのは正しい選択だと考えているんだ。チームと一緒に多くの成功を積み上げていくのが楽しみで、来シーズンが待ちきれないよ!」
マルタンの加入を伝えたAMRは2018/19年“スーパーシーズン”もLM-GTEプロクラスに95号車と97号車、2台のバンテージGTEを投入すると考えられているが、今回の発表では各車の布陣は明らかにされていない。ここ数年、不動のラインアップとなっている陣営に動きがあるのか、その答えは2018年に明らかにされる予定だ。