12月19日、TOYOTA GAZOO Racingが引き続きWEC世界耐久選手権に参戦することを正式に発表した。ここでは、現時点で判明している2018/19年“スーパーシーズン”に挑むプライベーターのLMP1クラス参戦チームをまとめた。
2015年から3年連続でル・マン24時間、WECのドライバーズ、マニュファクチャラーズの両タイトルを獲得したポルシェがシリーズからの撤退を明らかにしたのは2017年7月のこと。
2016年末に撤退したアウディに続いてパートナーを失うこととなったWECは9月上旬のメキシコラウンドにおいて、LMP1クラスに参戦するマニュファクチャラーがトヨタ1社のみとなる可能性が高まったことからカテゴリーの再編を発表。
具体的には莫大な開発費が必要となっていたハイブリッド搭載のLMP1-Hと、プライベーター向けのLMP1-Lをひとつのクラスとするとともに、両車の戦力を均衡させ、より多くのマニュファクチャラーやチームにとって魅力的なカテゴリーとなることを目指している。
また、シーズンカレンダーについてもこれまで参戦チームにとってネックとなっていたフライアウェイラウンドに掛かる移動コストを削減するものに変更され、改革初年度の来シーズンは2018年5月のスパ・フランコルシャン6時間をから2019年のル・マンまで1年強からなる“スーパーシーズン”として設定された。
これらの改革を受け2017年シーズン終了後には、プライベーターのマノーTRSレーシング、ドラゴンスピード、レベリオン・レーシングといったLMP2クラスに参戦してきたチームが続々とLMP1クラスへのステップアップを発表。
また、今季半ばから新シーズンへの参戦準備に入っていたバイコレス・レーシングチーム、2016年11月に2年後の参戦を表明していたSMPレーシングも最終戦バーレーンで初披露された新型LMP1マシン『BR1』の発表の場で改めて名乗りを上げている。
■5チームの参戦プランはさまざま。レベリオンはアンドレ・ロッテラーなどベテランを起用
各チームの参戦プランをおさらいしておくとSMPレーシング、ドラゴンスピードの2チームはBRエンジニアリングとダラーラが共同開発したLMP1用シャシー『BR1』を走らせるが、搭載エンジンはそれぞれ異なりSMPがAER製V6ツインターボエンジン、ドラゴンスピードはLMP2用ワンメイクエンジンを手掛けるギブソン製のLMP1用V8NAエンジンを用いる。
一方マノーは、先日発表されたメカクローム製エンジンをパッケージエンジンとするジネッタ製シャシーを選択したが、搭載エンジンについては後日発表としているため、メカクローム以外のサプライヤーを選ぶ可能性ありそうだ。
このほかバイコレスはニッサン/ニスモ製VRX30Aを搭載する既存のCLM P1/01・ニスモを引き続き使用する可能性が濃厚で、唯一2台体制を確定させているレベリオン・レーシングはアンドレ・ロッテラー、ニール・ジャニ、ブルーノ・セナなど豪華ラインアップを揃える。
そのレベリオンは2018年3月のジュネーブ・モーターショーで新型マシンを公開するとしているが、同チームは長年にわたってフランスのオレカと密接な関係にあることから、オレカ製の新型シャシーを使用するでのはないかという見方もある。