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WEC:トヨタ、2018/19年“スーパーシーズン”参戦を正式発表。体制は2018年早々に

2017年12月19日 18:12  AUTOSPORT web

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2017年のWEC世界耐久選手権を戦ったTOYOTA GAZOO RacingのトヨタTS050ハイブリッド
TOYOTA GAZOO Racingは12月19日、2018/19年のWEC世界耐久選手権“スーパーシーズン”への継続参戦を正式に発表した。ただし、ドライバーラインアップなどの参戦体制の詳細は2018年早々に発表するとしている。

 耐久レースの世界選手権であるWECに、2012年の第3戦から参戦しているトヨタ。2014年には日本メーカーとして初めてWECダブルタイトルを獲得している。ポルシェとの直接対決ラストイヤーとなった2017年シーズンは通算5勝を挙げ、最終戦までシリーズチャンピオンを争い、ランキング2位を手にした。

 しかし、シリーズの天王山に位置づけられるル・マン24時間での総合優勝には、これまで手が届いていない。もっとも総合優勝に近づき、そして歴史的惜敗となったのが2016年のル・マンだ。

 中嶋一貴がドライブする5号車トヨタTS050ハイブリッドがトップを走行中、チェッカーまで残り5分のところでトラブルからマシンを止めた姿は、日本のみならず、世界のモータースポーツファンの記憶にも新しいところだ。

 2017年シーズンは開幕2連勝を飾り、ル・マンには3台のマシンを投入するなど、悲願の初優勝へ万全の体制を構築し、決勝でも序盤から首位を快走したが、3台全車にマシントラブルが発生し、2台がレース折り返しを待たずにリタイア。

 残る1台は一時、総合54番手までポジションを落としたものの、最終的に8位でチェッカーを受けた。

 2018年5月に開幕する新シーズンは、2019年6月のル・マン24時間を最終戦として、1年以上に渡る“スーパーシーズン”として開催。また、これまでハイブリッドシステム搭載車と非搭載車が混走してきた最上位クラスのLMP1クラスは、規則が変更され、ひとつのクラスとして扱うことが決定されている。

 そんなスーパーシーズンに向けて、トヨタは「WEC参戦は、先端ハイブリッド技術並びにEVシステムの開発を進めるうえで大変有益であり、引き続き重要なプロジェクト」であるとして、継続参戦を表明した。

 なお、参戦車両や台数、ドライバー布陣などの詳細は2018年早々に、改めて発表される。

 参戦表明に伴い、トヨタ自動車の豊田章男社長は以下のようにコメントを寄せている。

「今年、我々のクルマは、ル・マンの道を“速く”駆け抜けることはできました。しかしながら、24時間走り続ける“強さ”を兼ね備えることはできませんでした。お客様に乗っていただくクルマをお届けしたいと願いながらも、まだその域に達していない…それが我々の今の実力です」

「この道で技術を磨き合うライバルが去ってしまったことは大変残念ですが、スピード域の異なるクルマが混走し競い合う世界耐久選手権という競技、とりわけ、公道をも舞台にしながら24時間戦い続けるル・マンが『次の100年もクルマは楽しい』の実現に向けた最適な実験場であることに変わりはありません」

「私どもトヨタが目指す“もっといいクルマ”は、モータースポーツという極限の環境において鍛えられ、つくられていきます。だからこそ、我々は、景気の良し悪しなどに左右されることなく、永続的にモータースポーツに取り組んでまいりたいと考えます」

「TOYOTA GAZOO Racingは、来シーズンもこの競技への参戦を続けます。そして、この先も、運転が楽しい…もっと走らせていたい…、そう思っていただけるクルマをお客様にお届けできるよう、培ってきた技能と技術をさらに高めてまいります」

 この2018/19年“スーパーシーズン”のLMP1クラスには、すでにレベリオン・レーシングとマノーTRSレーシング、SMPレーシング、バイコレス・レーシングチーム、ドラゴンスピードの5チームが参戦を表明済み。

 なかでもレベリオンは、ポルシェからLMP1に参戦していたアンドレ・ロッテラーとニール・ジャニを起用するなど、強力な体制を敷いており、トヨタはこういった強豪プライベーターを相手にスーパーシーズン、そしてル・マン24時間総合優勝を目指すことになる。