東映は12月、「芸術職研修契約者(助監督)」の採用実施を発表した。11年ぶりに募集を行った昨年に引き続き、2年連続での採用となる。
採用者は3年の契約期間中、映画企画製作部・テレビ企画制作部・東京撮影所・京都撮影所等での職務を通して実地研修を受けることができる。研修終了後、優秀者は作品契約で制作に携わる人もいる。
過去の採用者は、映画『くちびるに歌を』『追憶』『わが母の記』『春を背負って』などの作品にスタッフとして参加している。また2018年2月公開予定の『花は咲くか』では、2006年採用者の谷本佳織さんが監督を務めるなど、同研修を足掛かりに映画業界で活躍する人もいる。
「学歴・経験不問。やる気のある映画好きに来てほしい」
実地研修は、映画やドラマの現場で行われるというが、一体どんなことをするのだろうか。キャリコネニュースの取材に同社の人事労政部担当者は「監督のアシスタントとして動くことで仕事を覚えてもらうため、最初は雑用もやってもらうと思います」と話す。
昨年は応募者600人の中から、助監督2人と脚本家3人が採用された。現在、5人とも研修を受けている。今回は脚本家の募集はないが、それでも「応募数は100人程度になるかもしれません」(同担当者)という。
「脚本家はデスクでの仕事のため、女性からの応募が多かったです。助監督は現場で体を使う仕事のためか、若い年代の応募者が多いですね。前回は男女1人ずつ採用しています。助監督は学歴・経験不問で、やる気のある映画好きに来てほしい。前回採用者の中には大学卒業と同時に契約した、未経験者もいました」
契約期間中は東映の所属だが、修了後はフリーの監督としてさまざまな会社で仕事をする人が多いという。同担当者も「昔は会社所属の監督もいましたが、いまはフリーが多いです。この採用も『正社員登用』を目的にしたものではありません」と話す。あくまでも後進育成の一環でもあるとして、
「映画監督になりたいなど、夢があっても機会はない、という人は少なくありません。この素晴らしい監督が誕生するきっかけになればと思っています」
と話した。応募締切は1月9日で、年棒は300万円。社保完備で交通費が支給される。詳しくは募集要項から。