マクラーレン・オートモーティブの最新モデル、『マクラーレン・セナ(McLaren Senna)』の500台目が同社が主催するプライベートイベント内で行われたチャリティオークションに掛けられ、200万ポンド(約3億1000万円)で落札された。マクラーレンは落札額の全額をアイルトン・セナ財団に寄付している。
F1における伝説のドライバーとして多くのファンに愛され、ドライバーからも憧れの存在としてあり続けている“アイルトン・セナ”の名を冠する『マクラーレン・セナ』。
12月10日(日)にワールドプレミアされた同車は、「フォルムは機能に従う(form follows function)」というマクラーレンのデザイン哲学のもと可能な限り無駄が省かれ、ロードカーでありがながらマクラーレンのアルティメットシリーズ史上もっともサーキット走行に特化したハイパーカーとなった。
車重1198kgに対して最高出力800馬力、最大トルク800Nmを発揮するこのモデルは当初、500台限定生産とアナウンスされ、そのすべてが完売済みであると伝えられていた。しかし、マクラーレンオーナーなどが集う年末恒例のプライベートイベントにおいて、突如“最後の1台”がオークションに掛けられることが伝えられる。
オークションについて何も知らされていなかったイベント参加者たちにとって、この発表はサプライズとなったが、その後行われたオークションでは激しい入札競争が繰り広げられた。
競売人のマックス・ジラルド氏が進行を進めたオークションでは最終的に通常販売価格の3倍以上となる200万ポンド(税抜)で落札され、マクラーレンはこの全額をブラジルの子どもたちや若者を支援する非営利団体“アイルトン・セナ財団”に寄付している。
マクラーレン・オートモーティブのマイク・フルーウィットCEOは「マクラーレンの偉大なF1ドライバーの想いを伝える“アイルトン・セナ財団”のために、このような高額落札額を寄付できたことは、マクラーレンにとっては純粋な喜びであると同時に、我々のアルティメットシリーズの新たなモデルの素晴らしさを証明するものとなった」と語った。
また、アイルトンの姉で、マクラーレン・アンバサダーを務めるブルーノ・セナの母でもあるビビアーニ・セナは、マクラーレンからの支援に対して次のようにコメントしている。
「マクラーレン・オートモーティブとのコラボレーションにより、アイルトン・セナ財団のためにこのような額が寄付できたことをうれしく思います」
「セナ家はマクラーレン・ブランドと長きにわたる付き合いがあり、マクラーレン・アルティメットシリーズのニューモデルにアイルトンの名前を冠するというアイデアを知ったとき、私達は即座にこのアイデアが実現して欲しいと思いました」
「『マクラーレン・セナ』が公開された今、このプロジェクトに参加できてとても幸せであるということを、私たちもようやく公に話せるようになりました」