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DAOKO、荻野目洋子、東方神起……年末に向けてダンスMVと一緒に楽しみたい新作

2017年12月19日 08:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 2017年も残り2週間弱。相変わらず問題山積みの世の中だけど、そして、まったく悩みやトラブルを抱えていない人はおそらく皆無だろうけど、年の瀬くらいはすべてを忘れて楽しみたい、騒ぎたいーーという切実な思いに応える新作を紹介。個性的なダンスを取り入れたMVや、ダンサブルなナンバーで盛り上がりつつ、今年1年のストレスを解消してほしい。


(関連:DAOKOの声はなぜクリエイターを魅了する? “歌”と向き合った「打上花火」を聴く


■DAOKO『THANK YOU BLUE』
 「打上花火」(DAOKO×米津玄師)、「ステップアップLOVE」(DAOKO×岡村靖幸)、そしてBeckの楽曲に参加した「UP ALL NIGHT×DAOKO」。ジャンル、国籍、世代を超えたコラボレーションによって大躍進を遂げたDAOKOのメジャー2ndアルバム『THANK YOU BLUE』。前作『DAOKO』(2015年3月)以降にリリースされたシングルを収めた本作には、ネットラップ出身の彼女がより幅広いポップネスを獲得し、自らの表現をアップデートさせたプロセスが刻み込まれている。エレクトロ、ハウス、ドラムンベースなどを自在に取り込みながら、どこか憂いのあるボーカルを加えることで独自のダンスミュージックを体現する彼女。本作はその最初のピークを象徴するアルバムとして認知されることになるはずだ。


■DEAN FUJIOKA『Let it snow!』
 DEAN FUJIOKA自身が出演しているドラマ『今からあなたを脅迫します』(日本テレビ系)の主題歌として制作された表題曲「Let it snow!」は、フューチャーベース、トロピカルハウスを取り入れたド派手なトラック、80年代のJ-POPを想起させる大仰なメロディ、<なぜ雪を見ると君のことを思い出す>という感傷的なリリックを持つダンサブルなナンバー。サビの後に挿入される叙情的なサックスの音色を含めて相当に濃い口の楽曲だが、ゴージャズな雰囲気のボーカルが乗ると「なるほど!」と納得させられてしまう。自分自身の声質、ボーカルスタイル、ルックスなどを正確に掴んだうえで、それをもっとも効果的にプレゼンできる楽曲に結びつける、セルフプロデュース能力に長けたアーティストだと思う。


■荻野目洋子『ダンシング・ヒーロー ジ・アーカイブス』
 大阪府立登美丘高校ダンス部による“バブリーダンス”動画によって再び脚光を集めている荻野目洋子。本作『ダンシング・ヒーロー ジ・アーカイブス』は「ダンシング・ヒーロー(Eat You Up)」のオリジナルのほか、英語バージョン、クラブミックス、アカペラカバー、カラオケ、さらに初音源化となる1989年の武道館公演のライブ音源(歌がとても上手くて驚かされます)など全15曲を収録した企画盤。1980年代半ばのユーロビートのリリースされた「ダンシング・ヒーロー」の魅力を多面的にプレゼンする本作は、キャリアのあるアーティストの再ブレイク、ヒット曲のリバイバルを促進する一つのモデルとしても興味深い。


■東方神起『Reboot』
 今年の秋、約2年ぶりに活動再開。10月に復帰記念アルバム『FINE COLLECTION~Begin Again~』をリリースし、11月より全国ドームツアーを開催中の東方神起から待望の新シングル『Reboot』が到着。ドラマ『明日の約束』(フジテレビ系)主題歌に起用された表題曲は、強靭なビート、壮大なストリングス、エモーショナルな旋律が一体となったダンスチューン。<二度と離れない I swear いつでも Call my name>というファン感涙のフレーズも憎い。シャープかつダイナミックな動きを取り入れた振り付けをビシッと合わせるMVも必見(驚異のシンクロ率です、ホントに)。歌、ダンスを通してユンホ、チャンミンの生々しい肉体性を実感できる、理想的な“Reboot(再起動)”シングルである。


■D-LITE(from BIGBANG)『でぃらいと 2』
 全国ドームツアー『BIGBANG JAPAN DOME TOUR 2017 -LAST DANCE-』が終盤を迎えているBIGBANGのD-LITEによる“宴会企画”第2弾ミニアルバム『でぃらいと 2』。水野良樹(いきものがかり)が提供した昭和の歌謡ロックモード全開のアッパーチューン「あ・ぜ・ちょ!」、叙情的な歌声が楽しめるバラードナンバー「そばにいてよ」のほか、「Dear Friends」(PERSONZ)、「笑顔の行方」(DREAMS COME TRUE)、「また逢う日まで」(尾崎紀世彦)などのカバー曲を収録、幅広いリスナーにアピールできる作品に仕上がっている。J-POP、歌謡曲に対する理解の深さ、感情表現に優れたボーカル、親しみやすいキャラクターなど、日本の音楽ファンとの親和性に優れたアーティストであることを改めて実感できる。(森朋之)