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WEC/IMSA:BMWが2018年体制を発表。新車『M8 GTE』を駆るドライバー陣が明らかに

2017年12月18日 11:52  AUTOSPORT web

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デビューレースの2017デイトナ24時間に向けて開発テストが行われている『BMW M8 GTE』
BMWモータースポーツは12月15日、ドイツ・ミュンヘンで恒例のシーズンレビューイベントを開催し、このなかで2018年IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ(WSCC)および、来季から新規参戦するWEC世界耐久選手権の体制を明らかにした。

『BMW M3 GT2』で参戦した2011年を最後にWECに組み込まれる伝統の耐久レース、ル・マン24時間から遠ざかっているBMWは2016年、2年後の2018年シーズンよりフェラーリ、ポルシェ、フォード、アストンマーチンの計4メーカーがしのぎを削るLM-GTEプロクラスに新型マシン『BMW M8 GTE』を用いて新規参戦すると発表。

 2017年7月には同マシンのシェイクダウンが完了したことをアナウンスすると、9月に開催されたフランクフルト・モーターショーでは初めて実車が披露された。

 その後、『M8 GTE』はスペインのカタルーニャ・サーキットやフランス、ポール・リカールなど、欧州のサーキットを中心に開発テストが行われ、今月5~6日にはWSCCの開幕戦が行われるデイトナ・インターナショナル・スピードウェイにおいて北米での初テストを完了させている。

 そんな新型マシンのステアリングを握るドライバー陣についてBMWはWEC、IMSAに参戦する各4名、都合8人のレギュラードライバーラインアップを発表。2018/19年WEC“スーパーシーズン”には開発ドライバーを務めるマルティン・トムチェクをはじめ、ニッキー・キャツバーグ、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ、そして日本でもお馴染みのアウグスト・ファーフスの4名が指名された。

 また、『BMW M6 GTLM』からマシンをスイッチしてWSCCのGTル・マン(GTLM)クラスに参戦するBMWチームRLL(レイホール・レターマン・ラニガンレーシング)はラインアップを刷新。

 ジョン・エドワーズ、アレクサンダー・シムスの2名は残留となったが、長年にわたり北米BMWの顔として活躍したビル・オーバレンに代わってコナー・デ・フィリッピが新加入するとともに、今シーズン、GTデイトナ(GTD)クラスのターナー・モータースポーツ、96号車BMW M6 GT3をドライブしていたジェシー・クローンがトムチェクの後任として起用されることが決まった。

「WECチームのドライバーたちは、当初から『BMW M8 GTE』の開発作業に深く関わってきた」と語るのはBMWモータースポーツ代表のイェンス・マルカルト。

「GTレースの経験と優れた才能を持ち合わせる彼らの組み合わせは、我々にとって未知の領域となるWECデビューシーズンで良い結果を達成するための理想的なラインアップであると考えている」

「また、WSCCを戦うBMWチームRLLには(ニュルブルクリンク24時間を制すなど)絶対的なGTスペシャリストといえるコナー・デ・フィリップを迎え入れられたこと、そして元BMWモータースポーツ・ジュニアドライバーのジェシー・クローンがワークスプログラムに昇進したことを嬉しく思うよ」

「そしてもう一点。これまで第一線で活躍してきたビル・オーバレンに、ここで改めて敬意を表したいと思う。ひとつのマニュファクチャラーから400ものレースに出場する者はとても珍しい存在であり、彼ほどBMWと密接な関係を築いたドライバーは他に例がないんだ」

 前述のとおり、BMWがこの日発表したドライバーライナップは各プログラム4名ずつの計8名のみで、WECのル・マン、WSCCのデイトナ24時間、セブリング12時間といった長距離レースで起用する第3、第4ドライバーについては触れられていない。また、各車の割当についても言及されなかった。

『BMW M8 GTE』のデビューレースとなる年明け1月のデイトナでは3~4名のドライバーを起用するのが慣例であることから、今後数週間のうちに追加のドライバーライアップ、さらにチーム編成などが明らかになるはずだ。