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【ガンダム】なぜシャアは主人公のアムロよりも人気なのか 「ダメ人間の方が共感できる」「優秀なのにロリコンだから」

2017年12月17日 10:01  キャリコネニュース

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ドラマ、小説、映画、アニメ。一部例外はあるが、大抵の作品には主人公格が登場する。多くの場合、主人公がなんだかんだ一番人気を集めやすいが、しばしば例外というものはある。

たとえば、「機動戦士ガンダム」では、主人公アムロ・レイの人気も確かに高いが、それ以上に人気なのがライバルのシャア・アズナブルだ。ウルトラマンをよく知らない人でもバルタン星人は知っているように、ガンダムに詳しくなくても、シャアのことは知っているという人は多い。

それにしても、一体どうしてシャアは人気があるのだろうか。先日2ちゃんねるに「なぜアムロよりシャアのが人気があるのか」というスレッドが立った。(文:松本ミゾレ)

「シャアは自分の正義のために戦ってるから。アムロは何も考えてないしただ強いだけ」

スレ内ではシャアの魅力について自論を展開しているファンの意見を多数確認できる。たとえばこういったコメントが目を引いた。

「アムロは現実に生きて現実で戦うからな、ある意味見てて辛い。一方シャアは理想に生きて理想で戦ってる」
「シャアは自分の正義のために戦ってるから。アムロは何も考えてないしただ強いだけ」
「イケメンで兵士としても指導者としても優秀なのに。ロリコンでシスコンでマザコンという弱味も兼ね備えてるから」
「情けないから。それをグラサンやらマスクやらで隠すところがまた情けなくて良い」

こんな具合に、意見は色々ある。顔立ちも良く、血筋もジオン公国の礎、ジオン・ダイクンの子であり、その父をザビ家に暗殺された過去を持つ仮面の復讐者。一方で、ガンダムとの対決では大抵必死であり、どこぞの売春宿で出会った未成年の少女ララァ・スンに軍服を着せて戦場に連れ回し、そのララァが死ぬと泣く。

しかもアムロにはこの際の恨み言を、何年経ってもネチネチと、わざわざ戦闘中に無線で伝えるほどの了見の狭さを見せる。「ダメ人間ほど共感できるだろう?」といった書き込みもあったが、それでも仮面の下はイケメンで金髪の碧眼というのはズルい。ルックスも人気には大きく影響する。

一方のアムロは連邦の技術士官の息子で、当初は家にこもって機械いじりをしている天然パーマの小僧でしかない。アムロもアムロで徐々に成長して優秀なパイロットになるが、信念や思想的なものが見えてくることはあまりない。

まだ10代の若者なのでしょうがないんだけど、ファーストの頃はシャアだって20歳かそこらだったので、やっぱり血筋と復讐心は人を何倍にも大人に見せるということなんだろうなぁ。

完璧な人間なんていない、と気づかせてくれるのがシャア・アズナブル

それと、ガンダム作品を観ていて常々思うところなんだけど、アムロって見た目は素朴だし性格的にも年齢相応なところがあって、ガンダムのパイロットじゃなければどんなドラマを見せてくれるのか、よく分からない。

ではシャアはどうだろうか。アムロと違い、当初からシャアは軍人であり、大勢の部下を持っている。その上でザビ家に復讐し、亡き父の理想を実現する、というスタンスは最初から変わらない。

その反面、戦闘ではニュータイプとして才能を開花させていくアムロに、徐々に劣勢を強いられるようになる。ファーストの後半、ソロモン宙域のくだりなど、前述のララァが庇ってくれなければ間違いなく死んでいた。

そしてガンダムはロボットアニメ。そのロボットアニメで肝心のライバルが少しずつ弱体化していく様子はまた、完璧な人間なんかいないのだと視聴者に気付かせる。

血筋や顔立ちが良くても、実戦を詰みまくったロボットオタクの子供に翻弄されるのだ。この弱さは、特に社会に出て日々ストレスと戦っている人にとっては、大きな魅力となるだろう。アムロよりシャアが好きという人が多いのも頷ける。

ただ、ここまで書いといてあれだけど、僕はアムロの方が好きだ。だってアムロって結局のところ、土壇場ではしっかりとやることやって生き抜く。

たとえば、戦いではよく敵のコクピットを狙う。最終局面でもシャアの乗るジオングの腹部(基本的にMSはここにコクピットがある)を撃ち抜いているし、その直後にはシャアと生身でフェンシングして圧倒した上に、鋭い刺突で顔面を狙っていた(しかもヘルメットにヒビが入るほどの威力)。

この若さゆえの危うさというかヤバさが、普段の機械いじりをしている彼の姿と良いギャップになっている。だから僕はシャアよりはアムロが好きかなぁ。