東京メトロは来年3月17日から、千代田線二重橋前駅の副称に「丸の内」を付けると発表した。駅名標、車内案内装置をはじめ路線図等で「二重橋前<丸の内>」と表示される。千代田線に副駅名称が付くのは、明治神宮前駅に「原宿」が付けられた2010年以来8年ぶりになる。
同社は「副駅名称を付けることで、丸の内地区の回遊性を高めたい」としている。
二重橋前駅の一日あたりの平均利用者数は約3万人 大手町駅や有楽町駅と大きな差
二重橋前駅は、丸の内2丁目、ちょうど丸の内地区の中央に位置し、近隣にはオフィスや飲食店、大型ショッピング施設が立ち並ぶ。東京メトロによると、同地区にある大手町駅の2016年度の一日当たりの平均利用者数は約32万人、有楽町線有楽町駅が17万人となっている。
だが、二重橋前駅だけはこの賑わいから取り残されてきた。同駅の昨年度利用者数は3万人ほどで、千代田線しか通っていないことを差し引いても、周囲の駅より圧倒的に少ない。
利用者数の少なさは、駅の立地が周知されていないことも原因だと考えられるため、「丸の内」の副称で「認知度を上げ、利用者の利便性を向上したい」(東京メトロ担当者)としている。
ただ、影響力には疑問もある。2010年3月に明治神宮前駅に「原宿」の副称がつけられたが、同駅の一日平均利用者数は2009年度(7万5434人)と2010年度(7万4693人)でほぼ変化がなかった。<丸の内>は果たしてどの程度効果があるだろうか。