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稲垣吾郎&香取慎吾&草彅剛の映画『クソ野郎と美しき世界』はどんな作品になる? 監督陣の園子温、山内ケンジ、児玉裕一、太田光を一挙紹介。

2017年12月15日 13:21  CINRA.NET

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左から香取慎吾、稲垣吾郎、草彅剛
香取慎吾、草彅剛、稲垣吾郎の公式ファンサイト「新しい地図」によるオムニバス映画『クソ野郎と美しき世界』の監督が、本日12月14日に発表されました。その顔ぶれは、園子温、山内ケンジ、児玉裕一、そして太田光(爆笑問題)。4人はそれぞれ脚本も担当しています。

SMAP時代は、中田ヤスタカや津野米咲(赤い公園)、川谷絵音(ゲスの極み乙女。)、SALUらを抜擢した楽曲や、ジャケットデザインに佐藤可士和、信藤三雄らを起用するなど、気鋭のクリエイターたちと仕事をしてきた彼ら。尖ったクリエイティビティーとコラボレーションし、大衆に向けて開放すること。それは彼らの持ち味のひとつと言えるでしょう。

■園子温が稲垣吾郎を「むきだし」にする?
月9ドラマ『流れ星』では上戸彩が演じたヒロインの卑劣な兄に扮した稲垣吾郎。その後も『不機嫌な果実』『福家警部補の挨拶』『警視庁捜査二課・郷間彩香 特命指揮官』などで個性的なキャラクターを演じてきました。

「Episode1」で稲垣吾郎とタッグを組む園子温監督は、17歳で詩人としてデビューした経歴の持ち主。20代から映画を作り、『愛のむきだし』『ヒミズ』などの作品で国内外から高い評価を受けてきました。その作風は、性や暴力の表現や、グロテスクな描写を織り交ぜたシリアスな作品から、スラップスティックなコメディー、さらにラップミュージカルまで多彩。

稲垣吾郎は園子温監督とのタッグについて、「今の僕を『むきだし』にしてくれそうな園子温監督。ご一緒出来ることを大変光栄に思います。皆様に楽しんで頂ける作品を作っていきたいと思います」と、監督の代表作『愛のむきだし』を意識したコメント。『愛のむきだし』は盗撮や新興宗教を描いた作品で、『ベルリン国際映画祭』国際批評家連盟賞、カリガリ賞を受賞。満島ひかりの出世作となった傑作です。

園子温の監督作で、稲垣吾郎はどんなキャラクターを演じるのでしょうか?

稲垣吾郎のアメブロでは「『愛のむきだし』『冷たい熱帯魚』など、素晴らしい作品を数々手がけておられます」と園監督のシリアスな作品が挙げられていますが、『地獄でなぜ悪い』『みんな!エスパーだよ!』のようなコメディーになる可能性も。いずれにしても、これまでに観たことのない稲垣吾郎が期待できそうです。

■山内ケンジが、香取慎吾を「新しい世界」へ
ドラマ『西遊記』の孫悟空や『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の両津勘吉、「慎吾ママ」といった明るいキャラクターを演じる一方で、映画『座頭市 THE LAST』、ドラマ『新撰組!』などで見せたシリアスな表情も印象的な香取慎吾。

「Episode2」で香取とタッグを組む山内ケンジは、演劇ユニット「城山羊の会」の主宰。2015年に『第59回岸田國士戯曲賞』を受賞しました。2011年には『ミツコ感覚』で長編映画監督デビュー。人間関係における不条理さや滑稽さを、ブラックな笑いを交えながら、繊細な手つきでえぐり出す作風が特徴です。

CMディレクターとして活動を開始し、ソフトバンクのCM「白戸家」、セガのCM「湯川専務」シリーズなどを担当。かつてSMAPはソフトバンクのCMキャラクターを務めており、香取慎吾が白戸家のCMに本人役で出演したことも。

香取慎吾は監督について、「山内ケンジ監督の描く、香取慎吾を楽しみにしていて下さい。監督が作る、僕の新しい世界に僕もワクワクしています!」とコメント。 一方の山内ケンジ監督は「香取さんを撮ります。現場でお会いしたら『ご無沙汰しています』と言い、握手をするでしょう」。山内監督が香取慎吾をどんな「新しい世界」に導くのか、期待が高まります。

■『ホンネテレビ』にも駆けつけた爆笑問題・太田光が、草彅剛と「未開の地」に
11月2日から5日かけてAbemaTVで放送され、お茶の間を巻き込んで大きな話題を集めた『72時間ホンネテレビ』。ネット配信番組としては、日本でこれまでになかったほどのインパクトを残しました。

同番組に駆けつけたのが、以前からSMAPと親交のあった爆笑問題。中でも太田光は彼らの大ファンを公言し、楽曲“We are SMAP!”の作詞も担当しました。大の映画好きとして知られる彼ですが、監督作品は1991年公開の短編オムニバス映画『バカヤロー!4 YOU! お前のことだよ』以来、約27年ぶり。

一方の草彅剛は、SMAP解散後にドラマ『嘘の戦争』で主演。『銭の戦争』に続いてダークな役柄を演じきりました。好青年からダークヒーローまで演じられる幅の広さが持ち味です。

『ホンネテレビ』では草彅の過去の不祥事もネタにしてみせた太田光ですが、普段はカート・ヴォネガットやジョン・アーヴィングの小説を愛し、チャールズ・チャップリン、ウディ・アレンらを敬愛する側面も。

「Episode3」でタッグを組む草彅剛は、太田監督について「監督、太田光さんに期待してます。とても楽しみです。よろしくお願いします」。Twitterでは「もう、炎上男なんて呼べませんね!よろしくお願いします!」と綴っている。

一方の太田監督は、「『新しい地図』というくらいですから未開の地に降り立ったような感じです。どこに宝が埋まっているかわからないところを一歩一歩歩きながら探すような感じで映画をつくっていけたら楽しいかなと思います。もしかしたら地雷が埋まってるかもしれません」。

現時点ではどんな作品になるのか全く予想できませんが、太田監督の繊細な一面が発揮された作品になる予感がします。とにかく監督とキャストの信頼関係は強力です。

■椎名林檎のPVも手掛ける児玉裕一が「クソ野郎」たちを描く
椎名林檎をはじめ、Perfume、水曜日のカンパネラ、DAOKOといったアーティストのPVを数多く手掛けている児玉裕一。

椎名林檎が作詞作曲したSMAP“華麗なる逆襲”のPVでも監督を担当。「Episode4」で映画の監督に挑戦する児玉裕一。タッグを組むのは、「クソ野郎★ALL STARS」。その顔ぶれは現時点では明かされていません。稲垣吾郎、香取慎吾、草彅剛は参加している可能性が高いですが、そのほかにさらなる「クソ野郎」が登場するのか? “華麗なる逆襲”PVでレトロな衣装に身を包んだ、少し「ワルそう」なSMAPを映した児玉監督が、オムニバス作品をどのような締めくくるのか? 椎名林檎をはじめ、ミュージシャンとも縁の深い児玉裕一監督のことなので、ミュージカル風の大団円も期待してしまいます。最後まで観終わったとき、『クソ野郎と美しき世界』というタイトルの意味がわかるのかもしれません。

同作は4月6日から全国86館にて2週間限定で公開。
(一部、事実と異なる記述があったため修正しました)