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米倉涼子が吐露した“本音”と“理想の手術”とは? 『ドクターX』シーズン6への期待

2017年12月15日 10:12  リアルサウンド

リアルサウンド

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 第9話のラストで、買い物の最中に突如倒れた大門未知子(米倉涼子)。このまま日本医師クラブ会長・内神田(草刈正雄)の食道がんを手術するというのが、今期のクライマックスになると思われていた中で、まさかの展開。もっぱら、この人気シリーズ自体が幕を閉じる可能性もあるのではないかと心配されたほどだ。


参考:永山絢斗、米倉涼子さながらの名外科医に? 『ドクターX 』クライマックス予感させる第8話


 とはいえ、そこは医療ドラマ界の“西部劇”と呼ばれるだけあって、主人公が死ぬなどという、心配されたような展開はやってくるわけがない。14日に放送された『ドクターX 外科医・大門未知子』最終回は、今後もシリーズが続くことも、このままシリーズを終えることも、どちらを選ぶこともできる、しっかりとした幕切れを持ってフィナーレを飾ったのだ。


 MRI検査を受け、「後腹膜肉腫」のステージ3だと判明する大門。彼女自ら、持って3ヶ月だろうと診断する。サイレントキラーと呼ばれ、知らず知らずのうちに進行していくその病は、すでに日本ではオペができない状況に。神原(岸部一徳)は、彼女に海外でオペを受けさせるように手はずを整えるのだ。


 一方で内神田のオペもまた、大門以外では切ることができないという八方塞がりな状態に。内神田の息子である西山(永山絢斗)に白羽の矢が立つが、結局大門が病気を押して執刀することになるのである。そこからの、東帝大学病院の総合外科のドクター達の反応は、まさかこのままシリーズが終わってしまうのではないかと思ってしまうほどに、結束するのだ。


 有無を言わさず大門の出禁を解除する蛭間院長(西田敏行)に、副部長トリオは大門の体調を気遣い、他のドクターたちは誰が彼女のオペをするか熱く語り合う。今までのどのエピソードよりも、登場人物全員がひたすら大門未知子を救うという目的のために、ひとつになっていくわけだ。そして、ますます腕を上げ、大門から彼女のオペの執刀医を任せられる西山。彼の存在は、確実に今後のシリーズで重要な位置を占めていくに違いない。


 今回の劇中で、大門は城之内(内田有紀)にこう語る。「どんな医者も一度は患者になってみるべきだね。患者になるって意外と怖い。知らなかった」。これまでどんな難しいオペもこなしてきた彼女自身が本音を吐露し、病というものに改めて向き合う。そして、内神田のオペの最中に語り出す「理想の手術」に、あらゆる可能性を考えた彼女流のオペの方法が記されたノートの登場。大門未知子というドクターのすべてをさらけ出したこの最終回は、彼女が今後さらに進化するという伏線になるということだろう。シーズン6が作られることに期待したい。


■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。