人気が高まっているTCRカテゴリーに向けて新型車両を開発してきたヒュンダイ・モータースポーツが、新型車『ヒュンダイi30 N TCR』のデリバリーを開始した。
これまでWRC世界ラリー選手権など、主にラリー競技を主戦場としてきたヒュンダイ。今後はサーキットレースへも活動の場を広げるべく、低コストで人気を博すTCRへの参戦を決定。2017年4月から開発テストを進めてきた。
このi30 N TCRは開発テストの一環でミサノ24時間に参戦して369周を走破。また賞典外ながら、TCRインターナショナル・シリーズの2017年シーズン終盤2戦へエントリーして、開発ドライバーを務めてきたガブリエル・タルキーニの手により、デビューウインを飾るなど、ポテンシャルの高さを発揮している。
長い開発期間を経て完成したi30 N TCRは韓国のプライベーターチーム、KMSAモータースポーツと、開発テストにも加わってきたイタリアのBRCレーシングの2チームに初納車された。
今後、KMSAは2018年夏スタートのTCRコリアへ、BRCレーシングはTCRイタリア、TCRインターナショナルへi30 N TCRで参戦する見込み。
ヒュンダイ・モータースポーツのカスタマーレーシング部門を率いるアンドレア・アダモは「i30 N TCRがチームにデリバリーされたことは、このプロジェクトにとって大きな1歩になった」と述べた。
「これは激務だった開発期間が終了したことを意味する。我々はTCRレギュレーションに沿って強力なパッケージを作り上げたと確信している」
「ただ、マシンをデリバリーしたことで、このプロジェクトが終了するわけではない。今後は彼らが2018年シーズンに優勝争いができるよう、サポートしていくことが重要になってくる」
このi30 N TCRの販売価格は12万8000ユーロ(約1700万円)で、2台以上のオーダーがあった場合はスペアパーツなどのディスカウントが行われるほか、4台をオーダーすると2万8000ユーロ(約3732万円)の割引が受けられるとのこと。
ヒュンダイはオフシーズン中に順次、マシンをデリバリーしていくとしており、現在も2018年シーズン開幕に間に合う形で受注を受け付けている。