全国に約5万5000店あるコンビニエンスストア。日用品の購入だけでなく、公共料金の支払いや宅配便の受け取りなどもでき、今や生活にはなくてはならない存在だ。
それだけにバイトの業務も多岐にわたってくるが、その経験があらゆる仕事に生きてくる、と思う人すらいる。12月10日に2ちゃんねるに立った「コンビニバイトこなせれば大抵の仕事こなせる説」というスレッドでは、スレ主が根拠を次のように書いている。
「接客、レジ打ち、品出し、フライヤー(揚げ物)、タバコの販売、公共料金の支払い、宅配便、肉まん、おでん、商品発注、店内清掃、トイレ掃除、湯沸し器の給水、ごみ出し、 コピー機発券機の不具合調整、お弁当の宅配、店内でのお弁当調理、ケーキおせち恵方巻きの自腹購入、イベント等有etc…… そして客層も劣悪かつずっと立ちっぱ」
その割に待遇は必ずしもよくなく、「時給800円」と嘆いている。
「あの時給であそこまでやらせるのはブラック」「時給2000円が適正」
コンビニでは人出不足が深刻だ。ファミリーマートでは今年5月、今後2年の間に主婦10万人を採用する計画を発表している。不人気の理由は、スレ主が書いているように業務量が時給に見合わない、というのが大きいだろう。スレッドでも、
「必要なマルチタスク能力はほんとレベル高いわ あの時給であそこまでやらせるってほんとブラックやで」
「ローソンでバイトしてたけど覚えることは今までの仕事でダントツで一番多いわな 時給2000円が適正や」
など、忙しさに不満を抱く声が挙がる。
また、会計時にお金を投げつけたり、店員に対して高圧的な態度を取ったりする客の相手をすれば精神的に疲弊する。ストレスの割に給料が安いと嘆きたくなるのも理解できる。
ただ、コンビニバイト経験が他の仕事に役立つかについては、疑問を持つ人が多い。「コンビニはやることがマニュアル化かつ作業がルーティーンだから慣れると限りなく楽やで」「慣れちゃえば単純なルーチンワーク」という主張だ。
「社会人になってから、複数のことを同時に行うことに抵抗はなかった」
また、やることは確かに多いが、それゆえに広く浅くになりがち、という意見もあった。
「やる範囲は広くても、どれもほんの少しつまんだ程度じゃねえのか?続けていく事で何か熟練していくものでもあんのか?」
実際のところはどうなのか。学生時代にコンビニバイトを2年間経験した女性は次のように語る。
「確かにコンビニではやることが多岐にわたっているので、大変さはありました。混雑時に弁当温めや公共料金の支払い、宅配便の受け付けなど様々なことをするのは疲れましたね。なので社会人になってから、複数のことを同時に行うことに抵抗があまりなかったように思います」
マルチタスクで仕事を処理していく、ということには多少慣れるようだ。一方で、「コンビニでバイトをしたからといって、たいていの仕事ができるとは決して思いません」とも語っていた。
「やることは多いですが、特筆すべきスキルが身につくわけではないですし、どちらかと言うと気軽にできるバイトだと思います。ただ、様々な年齢層のお客様の対応を数多く経験したので、接客に慣れたとは感じます」
コンビニバイトの経験は必ずしも万能ではないが、初めてやるバイトとしては悪くない、といったところだろうか。