参戦1年目からフロントロウ獲得など速さをみせたレクサスRC F GT3 2017年からIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ(WSCC)のGTデイトナ(GTD)クラスに参戦している3GTレーシングは、1月に開幕する2018年シーズンに向けデビッド・ハイネマイヤー-ハンソンを新たにチームに迎えると発表した。
14号車と15号車、2台の新型『レクサスRC F GT3』を北米耐久シリーズのGTDクラスに投入し、デビューシーズンをチームランキング全29チーム中11位、12位で終えた3GTレーシング。
そんなチームは今季、セージ・カラム、ロバート・アロン、スコット・プルエット、ジャック・ホークスワースというレギュラードライバー陣を軸に全12戦を戦ってきたが、2018年はプルエットに替わりハイネマイヤー-ハンソンを起用する。
ホークスワースのチームメイトとして15号車レクサスをドライブすることになるハイネマイヤー-ハンソンは、オープンソースのWebフレームワークである『Ruby on Rails』の作成者として知られる有名プログラマーとレーシングドライバーの二足のわらじを履くジェントルマンドライバー。
ドライバーとしては2014年にアストンマーチン・レーシングからWEC世界耐久選手権に参戦し、同年のル・マン24時間レースでLM-GTEアマクラス優勝を飾るとニッキー・ティーム、クリスチャン・ポールセンとともにその年のシリーズチャンピオンを獲得している。
2017年はLMP2チームのヴァイヨン・レベリオン、13号車オレカ07・ギブソンをドライブし3度のポディウムフィニッシュを果たした。また、第8戦上海ラウンドでは後方から迫るDTMドライバーのニコ・ミューラーの猛攻を長時間に渡ってしのぐ走りで注目を集めたのも記憶に新しい。
12月5~6日にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われた合同プライベートテストでRC F GT3をドライブしたハイネマイヤー-ハンソンは「デイトナやセブリングなど、IMSAのフルシーズンで最高の栄誉を掴むためのクルマとセッティングを備えているチームと一緒に仕事ができることを、とても幸せに感じると同時に興奮しているんだ」と語り、「特にデイトナに戻れることが楽しみだね」と続けた。
「(WSCCは)おそらく世界中のカテゴリーのなかでもっとも多様性のあるシリーズだろう。参戦する多数のマニュファクチャラーと、とても多くのコースレイアウト、そしてさまざまなセットアップを必要とする」
「IMSAとGT3をとりまく人々は、クルマのパフォーマンスをBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)によって同等にすることでカテゴリーにリアルな興奮をもたらしている」
「僕はかつてGTル・マン(GTLM)クラスに参戦したことがあるが、GTDでレースをするのは初めてだ。ABSなど、このカテゴリーで学ぶべきことはたくさんある。しかし、それらを含めて新たな挑戦を本当に楽しみにしているんだ」
FIA国際自動車連盟によるドライバーカテゴライズでは“シルバー”ランクに位置づけられているハイネマイヤー-ハンソンだが、その走りは現役DTMドライバーを苦戦させるほどのもの。
2013年から参戦し続けているWECでの経験はもちろん、2013、2014年にはIMSAシリーズのプロトタイプ・チャレンジPC)クラスへの参戦経験も持ち合わせるニューカマーが、2017年シーズン、速さを見せながらも勝利を掴むことができなかった『レクサスRC F GT3』に北米シリーズ初優勝をもたらすのか注目したいところだ。
2018年のIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップは1月25~28日、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催されるデイトナ24時間レースで開幕する。