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鬼龍院翔&X JAPAN Toshlがコラボする必然性 ふたりの関係性から読み解く

2017年12月13日 11:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 ゴールデンボンバーの鬼龍院翔が、本日12月13日に放送される『FNS歌謡祭 第二夜』(フジテレビ系)でX JAPANのToshlとコラボレーションする。同放送でふたりは、X JAPANの「Say Anything」を歌唱することが発表されている。ファンの間での注目度も高く、SNS上では「翔さんToshlさんとコラボ凄いよね!!」、「キリショーとToshlさんとか死ねる!!」など、ふたりのコラボを祝福する声も多い。


参考:鬼龍院翔が歌う、“ど真ん中”の90年代ヒット曲 J-POP愛溢れるカバーアルバムの意義


 X JAPANの大ファンでもあることを公言している鬼龍院。2016年に開催された『VISUAL JAPAN SUMMIT 2016』でYOSHIKIとステージ上で共演した経験があり、同イベントや2017年10月8日に放送された『関ジャム 完全燃SHOW』(フジテレビ系)ではToshlのコスプレを披露するなど、これまでもX JAPANへの並々ならぬ愛情を示してきた。鬼龍院のブログでもX JAPANへのリスペクトが度々語られており、今回のコラボについても「いったいどうなってるんだとんでもねぇコラボだ!!!!!(恐怖)」と興奮気味にコメントしている(キリショーブログ)。一方でToshlもゴールデンボンバーと共演した際に、鬼龍院を褒めちぎっていたというエピソードがある。ゴールデンボンバーの喜矢武豊のブログに当時の様子が書かれており、「でも一番の衝撃はToshlさんが鬼龍院をべた褒めしてたことかもしれないなぁ(^_^;) あんたすげぇ!!」と紹介していた(ゴールデンボンバー 喜矢武豊のブログ)。YOSHIKIもライブを観て、「逆に学ぶところがいっぱいあります」と言うほどゴールデンボンバーを高く評価している(ドワンゴジェイピーnews)。つまり鬼龍院翔は、ビジュアル系バンドの代表格からお墨付きをもらっていると言え、Toshlと鬼龍院の関係性を知っているファンからすれば、今回のコラボは必然的なものと言える。


 ヴィジュアル系のレジェンドとヴィジュアル系の異端児、時代は違えど同ジャンルの歴史を刷新した2人組のコラボが実現すると言える今回のステージ。もはや説明する必要はないと思うが、X JAPANが後続のヴィジュアル系バンドに与えた影響は非常に大きい。当時の常識を打ち破る意欲的な音楽はもちろん、過激なビジュアルやパフォーマンスはライブにおけるエンターテインメントの新しい形を築いた。音楽評論家の市川哲史氏が、著書『逆襲のヴィジュアル系』でゴールデンボンバーのことを「V系の最終形態」と称していたが、X JAPANがヴィジュアル系というジャンルの枠を拡張し、そこから独自進化を果たした末にゴールデンボンバーは誕生した。そして、その意思を受け継ぐかのごとく、鬼龍院翔はエアーバンド+パフォーマンスというトリッキーな手法でブレイクし、さらに今の音楽シーンに一石を投じるような試みを実践し続けている。そんな時代を変えた新旧ヴィジュアル系を代表するボーカルが、同じステージで歌うことには、どこか感慨めいたものが湧いてくる。


 また、ゴールデンボンバーとしての活動以外にも、ソロ名義での楽曲リリースやライブをはじめ、スピッツのトリビュートアルバムへの参加など、ソロ歌手としての活動も精力的に行っている鬼龍院。高音から低音まで自由自在に使いこなし、激しいライブパフォーマンスにも対応できる歌声は、業界内外でも一定の評価を得ている。そして今回披露される「Say Anything」は、1991年にリリースされた『Jealousy』に収録されているバラードナンバー。高音パートが重なる難易度の高い楽曲であり、レコーディング当時にToshlが吐血したという逸話もあるほど。10月には、ニコニコ生放送でToshiと川畑要(CHEMISTRY)が同曲のコラボパフォーマンスを披露。その際はToshlの弾き語りバージョンだったが、ふたりの歌声が見事な調和を見せていた。今回コラボで、鬼龍院とToshlの歌声が化学反応を起こすのか、期待しているファンも多いだろう。


 ちなみに、近年のToshlは、バラエティ番組やコミカルな企画にも意欲的に参加している。Toshiがスイーツの食レポを行う初の冠番組『XJAPANToshlスウィーツKURENAI』や、X JAPANの裏話を語るトークなど、ファンの間でも大きな話題を呼読んだ。そういったファンに対するサービス精神の良さも、ふたりに共通している部分と言える。もしかすると今回のステージでも、あっと驚くような演出があるかのかもしれない。(泉夏音)