イギリスの名門レーシングチームであるカーリンが2018年からいよいよインディカー・シリーズに参戦することが公式に発表された。シボレーエンジンを採用し、ドライバーにはマックス・チルトンとチャーリー・キンボールを起用する。
カーリンは、ヨーロッパで数々の成功を収めてきた名門チームだ。佐藤琢磨も2000年からカーリンに所属。イギリスF3へ参戦し、2001年にはチャンピオンに輝く活躍を見せた。琢磨のほかにも、チルトンをはじめウィル・パワーやジョセフ・ニューガーデン、コナー・デイリーなど多くのインディカードライバーもカーリンのステアリングを握ってきた。
2015年からはアメリカでのレース活動をスタートしたカーリン。GP2時代、カーリンに所属していたチルトンも2014年にF1シートを失ったこともあり、カーリンのアメリカでのレース活動をサポートし、インディライツに参戦していた。
3年間インディライツでアメリカンモータースポーツを学んだカーリンは、いよいよ2018年からインディカー・シリーズに参戦することを12日に明らかにした。参戦体制は、2台体制でシボレーエンジンを採用。ドライバーにはチップ・ガナッシのシートを失っていたチルトンとキンボールのふたりを起用し、チルトンはギャラガーがキンボールはノボノルディスクが引き続きメインスポンサーとなる。
「ベライゾン・インディカー・シリーズへの参戦を最終的に発表できたことをうれしく思っている。チームの長期的な野心の結果だ。デビューシーズンにノボノルディスクやギャラガーといったスポンサーが参加してくれて、すでにレースで勝利を経験するチャーリーとマックスがドライバーだ。我々が期待していたものをすでに超えているよ」
「目の前にある挑戦や競争を過小評価することは決してないが、チームマネージャーのコリン(へイル)と私は若く情熱的なチームに大きな信念を持っている」とオーナーのトレバー・カーリンはコメント。
カーリンをサポートしひと足先にインディカーを戦っていたチルトンは、「たくさんのことを学んできた気がする。インディカーをまだ戦っていないカーリンに学んできた多くのことを引き継ぐつもりだ」
「カーリンというチームはワンメイクシリーズで本当に優れていて、たくさんの興奮と喜びを与えてくれる。来年のインディカーはワンメイクシリーズから遠いものだとは言えないと思うんだ。エンジンは違うけどみんな同じマシンを持っている。カーリンが得意としていることだと思うので、待ちきれないよ」とコメント。
1型糖尿病患者でノボノルディスクのサポートを受けるキンボールは2011年にインディカーに参戦し、チップ・ガナッシで7シーズンを過ごしてきた。2013年のミド・オハイオで初勝利を挙げたが、2017年は最高位が6位と低迷していた。
「チームオーナーとしてのトレバーをとてもリスペクトしている。オーナーとして成功し、一緒にレースをする素晴らしい人物だよ。ノボノルディスクに新しいパートナーと新しい挑戦を持っていき、そしてマックスと再びチームメイトになることができてとても興奮してるんだ。たくさんの仕事が待っているよ」とキンボール。
オールドルーキーとして挑むカーリンのインディカー参戦にドライバーふたりは多くの期待を抱いているようだ。
「すべてを学ぶ準備ができている。開幕戦のセントピートの最初のプラクティス走行の1周目は競争力がないかもしれないけど、チームやトレバー、マックス、自分自身、エンジニアやメカニック、すべてを信じている。トレバーはレースに勝つ方法を知っているし、何年もの間、世界各地の様々なレースで大成功を収めている。その文化や精神が本当に楽しみなんだ」とキンボール。
インディライツでカーリンに初勝利をもたらしたチルトンも「僕たちはアイオワで勝ったんだ。これはアメリカでの初勝利だった。最初の勝利を欲するエネルギーを持っているチームと一緒にいることは素晴らしいし、初勝利を収めたときは凄いイベントになるだろうね」と語っている。