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セナの言葉を具現した『マクラーレン・セナ』。徹底的に無駄を省いた”こだわり”と”哲学”

2017年12月12日 17:12  AUTOSPORT web

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ドアにはめ込まれた下段ガラスによってコクピット内部の空間感覚が向上する。
マクラーレン・オートモーティブが12月10日に発表したハイパーカー『マクラーレン・セナ(McLaren Senna)』。伝説のF1ドライバーの名を冠する同モデルは、マクラーレン史上もっともサーキット走行における車両性能に重点を置いた開発がなされた究極のロードカーだ。

「まったく妥協のないレベルにまで自分を高めるのだ。自分のすべてを、まさにすべてを捧げるのだ」とはかつてマクラーレンF1で活躍した伝説のドライバー、故アイルトン・セナの言葉である。並外れた集中力とサーキットで最高の結果を出すことにこだわり抜いたヒーローの不屈の精神はマクラーレンで生き続けている。

 高性能ロードカーシリーズの総称である“アルティメットシリーズ”の最新モデルにセナの名を関したマクラーレンは、同モデルをロードカーとしながらその開発目的は「公道でも走れる、マクラーレンの究極のサーキット仕様モデル」であったと認める。

『マクラーレン・セナ』サーキット走行のなかでドライバーとクルマの一体感をもっとも純粋な形で実現すること、マクラーレンの他モデルでは味わえない強烈なサーキット体験を味わうことができるハイパーカーとして開発された。

 マクレーレン史上もっともパワフル、単体で800PSを発揮する4.0リッターV8ツインターボエンジンを搭載しながらカーボンファイバーシャシーの採用によって乾燥重量1198kgに抑えられた『セナ』は「まさに比類なきクルマである」と語るのはマクラーレン・オートモーティブのマイク・フルーウィットCEO。

「(最新モデル『セナ』は)マクラーレンがモータースポーツを通して培ってきたDNAが具現化されており、公道での走行も可能だが、そもそもはサーキットでの活躍を目指してデザインおよび開発がなされた」とコメント。

「このアルティメットシリーズの新モデルに込められたすべての要素が、優れた性能を生み出すための妥協なき姿勢を示している」

「このクルマには、ドライバーとマシンとの一体感を可能な限り純粋な形で結実させるための工夫が凝らされており、サーキットにおける究極のドライビング・エクスペリエンスはまさにマクラーレンならではであると考えているんだ」

■ブルーノ・セナ「叔父アイルトンに敬意を表したクルマだ」

 その精神は圧倒的な性能を引き出すパワーユニット、フルカーボンで仕上げられた強固なモノコックと軽量ボディによって実現した軽量化に加え、F1やGTカーカテゴリーに参戦することで培ってきたエアロダイナミクスを基にした空力制御、冷却システム、アクティブ・サスペンションなどをが構築された車両全体のパッケージとして現れた

 さらに“フォルムは機能に従う(form follows function)”というマクラーレンのデザイン哲学を象徴する猛々しくも洗練されたエクステリアや、徹底的に無駄を省きドライビングにおける機能性を最重要視したインテリアは、ドライバーとクルマの一体感の実現に寄与している。

 『セナ』というネーミングについて、アイルトンの甥でマクラーレン・アンバサダーを務めるブルーノ・セナは「私たち家族は、アルティメットシリーズの新モデルに名前が冠されることをこの上なく誇りに思っている」と語った。

「アイルトンのレーシング・スピリットや業績と真につながるプロジェクトは、これが初めてだよ」

「『マクラーレン・セナ』は叔父に敬意を表したクルマだと考えている。というのも、ドライバーが最高の自分になれるような、比類なきサーキット・エクスペリエンスを生み出すことに徹底的にこだわっているからだ」と自らもレーシングドライバーとして活躍するブルーノ。

「クルマとドライバーの間には強固でシームレスな関係があり、クルマとドライバーのこのピュアな一体感によって、ドライバーは自身が反応すべき状況やクルマに頼るべき状況について知るようになり、その深くて、強烈なエクスペリエンスを通じてこのクルマの優れた性能の虜になるだろう」