ERCヨーロッパ・ラリー選手権の2018年カレンダーが発表された。全体をコンパクトにまとめた上でロジスティクス面にも配慮した、全8戦のスケジュールで構成されている。
12月6日にFIA国際自動車連盟主催で行われたワールド・モータースポーツ・カウンシル(WMSC)で、2017年に成功を収めたカレンダーに対し、新たにエントラントからのフィードバックを反映した全8戦のシリーズスケジュールを批准。
開幕戦は66回目の開催を迎えたおなじみの『アゾレス・エアライン・ラリー』となり、ポルトガル中西部、大西洋に浮かぶアゾレス諸島を舞台に3月22日から幕を開け、最終戦には10月12日より開催の、ラトビア・バルト海沿岸のグラベル戦『ラリー・リエパヤ』で幕を閉じるスケジュールとなった。
ERCの誇るふたつのメジャーイベントとして、『ラリー・イソラス・カナリアス』と『バウム・チェコ・ラリー・ズリン』は、それぞれ5月初旬と8月末の伝統的な日程をキープ。ギリシャの伝説的イベントである『アクロポリス・ラリー』の2週間後、6月中旬には『キプロス・ラリー』が控え、ドライバーにもマシンにもタフな、グラベル連戦が組まれた。
そのほか、昨年ERC初開催となったイタリアの首都ラウンド『ラリー・デ・ローマ・キャピタル』は、9月から7月に移動。その9月のスロットには、3年連続のERC王者カエタン・カエタノビッチが2013年に勝利を挙げて以来のERC復帰となる『ラリー・ポーランド』が入った。
このオールグラベル・ラリーの『ラリー・ポーランド』は、昨年開催されたポーランドのターマック・イベントである『ラリー・ジェシュフ』を引き継ぐ代替イベントとなっている。
ドライバーとチームの各選手権有効ポイントは全8戦中6戦と変更なく、2018年のカレンダーにはターマックイベント3戦、グラベルイベント5戦の設定となるため、わずかにグラベルを得意とするドライバーに有利な状況となる。
同様に、ERC1からERC3の各カテゴリーにおいて、ERC1に属するジュニア・アンダー28と、ジュニア・アンダー27登録のドライバーはそれぞれ6戦中4戦、ERC2とERCレディース・トロフィーは8戦中4戦の有効ポイント制となる。
ERCのコーディネーターを務めるジャン-バティスト・レイは、世界選手権とのバッティングも回避した2018年カレンダー発表に際し、「成功を収めた昨年に続き、強固な基盤の元に全8戦のシリーズを継続でき満足している」とコメントした。
「こうして2018年シーズンのFIAヨーロッパ・ラリー選手権カレンダーを発表することができて非常にうれしい。このスケジューリングとイベント割り当ては、昨年度を踏まえてドライバーとチームからのフィードバックに応えたものになっている。欧州域内でのERC人気と支持を得て、とくにジュニア選手権とチームに向けた欧州選手権タイトルの制定に関しては、今後も各国のASN(自動車連盟)やラリー・オーガナイザーとの強力な連携を維持し、可能な限り相互利益のための改善を続けていきたい」としている。
■2018年ERCヨーロッパ・ラリー選手権 開催スケジュール
ラウンド日程イベント開催国/路面Rd.13月22~24日アゾレス・エアライン・ラリーポルトガル/グラベル○Rd.25月3~5日ラリー・イソラス・カナリアススペイン/ターマック○Rd.36月1~3日アクロポリス・ラリーギリシャ/グラベルRd.46月15~17日キプロス・ラリーキプロス/グラベルRd.57月20~22日ラリー・デ・ローマ・キャピタルイタリア/ターマック○Rd.68月24~26日バウム・チェコ・ラリー・ズリンチェコ共和国/ターマック○Rd.79月21~23日ラリー・ポーランドポーランド/グラベル○Rd.810月12~14日ラリー・リエパヤラトビア/グラベル○
○=ERCジュニア併催