花王は12月12日、「生活者の暮らしに関わる意識と行動」の結果を発表した。調査は2006~16年の10年間で7回実施し、首都圏在住の20~60歳既婚者男女のべ1万126人から回答を得た。
この10年間の生活満足度を見ると、調査開始の2006年には男性58%、女性70%で、2回目の2008年調査でも男性63%、女性72%と上昇していた。
リーマンショック後の2010年は男性57%、女性64%と最低を記録したが、東日本大震災を経て2011年以降再び上昇傾向にあり、2016年では男性63%、女性69%となっている。一方で将来への不安はこの10年で増加しており、男性71%、女性74%となっている。
若年層の8割が「休日は家族とで出かける」が「自分の事も考えたい」
「家族とのコミュニケーションは良好」という回答は10年間、男女ともに約8割で推移している。これもリーマンショック後に一旦下がるが、その後は上昇傾向にある。
今回の調査では、家族や子どもとの関係を見ると、特に20~30代の若年では「休日は家族で出かけることが多い」が約8割と高かった。40代も5割で、家族との時間を大事にしていることがわかった。
その一方で、家族同士の距離感が変わって来ていることも分かった。「お互い干渉しない家族がいい」という人は2016年で男性59%、女性63%。震災以降増加しており、この10年で男女ともに10ポイント増加している。
また「家族のことも大切だが、まず自分のことを優先的に考えたい」(男性43%、女性46%)もこの10年で男性は5ポイント、女性は9ポイント上昇している。
「家族同士であっても程よい距離感のある関係に変化」
さらに同じ部屋にいながら「家族が別のことをしていても気にならない」の回答が、年代を問わず8割以上となっている。「家族が同じ部屋で過ごしているとき、スマホを見たりゲームをしていることがある」も20代で男性83%、女性81%、30代で男性70%、女性76%となっている。
子どもとの関係を聞くと、「子どもとは友達のような立場で接していきたい」が男女ともに4割を超える。しかし、「子どもとの会話の時間が中々持てない」と回答した女性の割合が2008年の24%から2016年は33%に上昇した。
この10年間の変化について同社は「女性の就業率の増加、スマホやSNSの休息な普及などの変化とともに、世界的な経済不安や未曾有の災害といったくらしに大きな出来事がありました」と述べ、
「そのなかで、家族のつながりは良好に保ちつつ、一人ひとりに『個』を大事にしたい傾向がみられ、家族同士であっても程よい距離感のある関係に変化してきたことが読み取れました」
とコメントしている。