カズオ・イシグロ原作の映画『日の名残り』のアンコール上映が、12月9日から東京・渋谷のBunkamuraル・シネマで開催される。
今年の『ノーベル文学賞』を受賞したカズオ・イシグロ。12月10日には同賞の授賞式が行なわれる。『日の名残り』の特別上映は当初10月28日から11月10日まで実施される予定だったが、予想以上の反響があったため、11月24日まで延長されていた。今回のアンコール上映は、特別上映の好評を受けて実施されるもので、連日19:15から上映する。
『日の名残り』は1989年に出版され、イシグロが35歳の時に『ブッカー賞』を受賞した作品。1993年に公開された映画版は『第66回アカデミー賞』で作品賞、主演男優賞、主演女優賞、監督賞など8部門にノミネートされた。イギリスを舞台に、ダーリントン邸に長く仕える老執事スティーブンスが自身の過去を回想しながら、かつて職務を優先したために叶わなかった女中頭ミス・ケントンへの愛に想いを馳せるというあらすじだ。
監督を務めたのは『眺めのいい部屋』『ハワーズ・エンド』などのジェームズ・アイヴォリー。キャストにはアンソニー・ホプキンス、エマ・トンプソン、ジェームズ・フォックス、クリストファー・リーヴ、ヒュー・グラントらが名を連ねる。
イシグロは原作の『日の名残り』について「多くの作品同様、これは自分自身への内なる旅です。いわば過去への旅です」とコメントしている。