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「獺祭はお客様の幸せの役に立ちたい」社長が「高く買わないで」広告を打ったワケ

2017年12月11日 20:02  弁護士ドットコム

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「お願いです。高く買わないでください」。近年の日本酒ブーム火付け役となった人気銘柄「獺祭(だっさい)」の蔵元、旭酒造(山口県)が12月10日、読売新聞にこのような意見広告を掲載した。適正価格での購入を呼びかけるものだが、ネット上で話題になっている。同社によると、獺祭はじまって以来、初めての広告だという。


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獺祭は、一部で入手困難といわれるほど人気で、飲食店などで価格が高騰している。その背景には、大手スーパーなどで『プレミアム価格』として売られていることがあるようだ。同社の桜井一宏社長は、弁護士ドットコムニュースの取材に対して「『お客さまの幸せ』につながらない現状を変えたいという思いから、今回の広告を打つことにした」と話す。


●「メーカーとして看過できない状況があった」

同社によると、大手スーパーやディスカウント店の中には、転売屋などから獺祭を仕入れて、希望小売価格の2倍、3倍をつけて販売しているところがあるという。こうした商品は正規の流通ではないため、「品質や保存環境がしっかりしているかわからない。良い状態とはいえない」(桜井社長)。今回の広告には、正規販売店も記載している。


今回の広告については、インターネット上で「獺祭の転売マジだっさい」「買っちゃう人も同罪だ」などと、さまざまな反応が寄せられている。桜井社長によると、基本的にポジティブな反響だったが、流通関係の業者から一部で苦情があったという。桜井社長は「覚悟していた」としたうえで、次のように強調していた。


「私たちにとって、お酒は『お客さまの幸せ』に役に立たないといけない、という考えがあります。それは、おいしいということでもあり、きちんと供給するということです。そして、まっとうな価格というのも、その範ちゅうに入ってきます。現状は『お客さまの幸せ』に結び付いていません。法律的にはどうしようもないですが、メーカーとしては、看過するわけにはいきません」


(弁護士ドットコムニュース)