旅行サイト「エクスペディア・ジャパン」は12月11日、世界30か国の男女1万5081人を対象に実施した、「有給休暇の国際比較調査」の結果を発表した。2017年の日本の有給消化率は50%で、2年連続世界最下位となった。その次に消化率が低い韓国は67%となっており、日本の消化率の低さが改めて浮き彫りになった。
有休を取らない理由は「人手不足」「職場の同僚が休んでいない」
ブラジルやフランス、スペインでは消化率が100%に上り、支給された30日全てを取得している。オーストリアも香港も取得率は100%で、それぞれ25日、14日の有休をきちんと消化しきっている。
有休取得に罪悪感を覚える人の割合が最も高いのも日本(63%)で、次に高いのは韓国(61%)だった。日本と韓国以外の国で、罪悪感を覚える人が半数を超えている国はない。3番目に多いシンガポールでも35%に留まっている。罪悪感を覚える人の割合が最も低いのはスペインの18%で、メキシコとイタリアでも19%に留まっている。
日本人はなぜ有休を取得しないのか。理由の第1位は「緊急時のためにとっておく」というものだった。同社は、「日本人は病気をした場合に有給休暇から取得することが多く、海外のように病気休暇が導入されていない企業が殆どです」と指摘している。「緊急時のため」以外の理由としては「人手不足」、「職場の同僚が休んでいない」という回答が多かった。
長期休暇は取りづらいため、「短い休暇を複数回」も日本が49%で最多
上司が有給を取ることに協力的かどうかが「分からない」という人の割合も、日本が最も多く33%だった。イタリア(31%)やシンガポール(30%)でも、上司の意向が分からないという人が多かった。しかし有給取得率はそれぞれイタリア75%、シンガポール93%となっている。こうした国では上司の意向など気にせず、有休を使っているということだろう。
休暇中に「1日中」仕事のメールを見てしまう人の割合が最も高いのも日本(22%)で、最も少ないのはオーストリア(6%)だった。さらに、長い休暇を取りづらいのか、「短い休暇を複数回」という人の割合も、49%で日本がトップだった。最も少ないブラジルでは13%、オーストリアでは14%、スペインでは15%に留まっている。
しかし、実際には取得できていないものの、有休を取りたいと思っている人は多いようだ。転職活動で最も重視するポイントの第1位は「より多くの有給が取得可能」だった。