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TGRF2017で石浦、可夢偉に割って入ったキャシディ。ストーブリーグは陣営内で大きな動きアリの噂

2017年12月10日 14:11  AUTOSPORT web

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『TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2017』のスーパーフォーミュラトークショーに参加した7人のドライバーたち
富士スピードウェイで開催された『TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2017』(TGRF)、トークショーではシーズンオフならではの『今だから話せる』『ここだけの話』で会場が盛り上がった。同じくオフと言えば、気になるのがストーブリーグ。特にスーパーGTに関しては、このオフはトヨタ/レクサス陣営の動きが激しくなりそうだ。

 スーパーGT、そしてスーパーフォーミュラともにレクサス/トヨタ陣営がタイトルを獲得し、国内最高峰カテゴリーを制覇したトヨタ陣営。それぞれのチャンピオンを迎えて華やかにトークショーが行われ、今だから話せる爆笑エピソードも披露。その一部をご紹介する。

 スーパーフォーミュラ・トークショーではやはり、タイトルを獲得した石浦宏明(P.MU/CERUMO·INGING)と、そして小林可夢偉(KCMG)がトークの中心に。そこに今季のルーキー、ニック・キャシディが加わって、いくつかの事件の裏側が暴露された。

石浦 「そういえばニック、ポールを獲得した(第6戦)SUGOでクルマに乗る前にペナルティを受けたけど、あれは何が原因だったの?」

キャシディ 「エンジニアが『早く乗れ』って言っていたけど、『ダイジョーブ』と言っていたら遅れてしまったんだ」

 レースはフォーメイションラップ5分前からの作業は禁止されており、それまでにドライバーはクルマに乗り込み、ハーネスをメカニックに締めてもらわなければならない。だけど、実はドライバーにとって、スタート前にマシンに乗り込むタイミングは難しくて、他のドライバーを見て「そろそろ乗るか」と空気を読むのだという。

「乗るタイミングって難しいよね。人によって早く乗り込むドライバーもいて、それに合わせたら早すぎたり」と話すのは可夢偉。「そうそう」と他のドライバーが同意するなか、実はホンダ系ドライバーは乗り込むのが早く、トヨタ系は遅めの傾向があるのだとか。

 第6戦SUGOのスタート前にのんびりしているポールのキャシディを見て、乗り込むタイミングを合わせていたという予選2番手の関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)も「キャシディを見ていたら、まだTシャツ姿で余裕ぶっこいていて大丈夫だと思っていたら、エンジニアやメカニックにせかされた。最後は時間がなくて、レーシンググローブを投げつけられました(苦笑)」と、あやうく関口も遅れるところだったという状況を振り返った。

 キャシディは第6戦SUGOで初ポールを獲得していながら、スタートで大失敗して後退。さらに、スタート前の乗り込むが遅れてペナルティと、散々なレースになった。レース後も、近藤真彦監督に謝罪をしようとしたら「監督はもう(帰って)いなかった」(キャシディ)とのこと。

 その近藤監督の印象を「コワイネ」と日本語で素直に語り、石浦、可夢偉を差し置いて会場を沸かせたキャシディ。今年はスーパーGTでタイトルを獲得したキャシディだが、来季は2年目となるスーパーフォーミュラと合わせて、トークの面でもさらなる活躍が期待できそうだ。

 そのトヨタ陣営、来年に向けてのストーブリーグはさまざまなウワサが聞こえてきている。特にスーパーGTのラインアップに関しては、GT500の3メーカー中、もっともドライバーの移籍が多くなるかもしれない。

 すでに今年参戦した外国人ドライバーが大幅に見直される方向のようで、複数の外国人ドライバーのレギュラーのシートが空いた状態になったという。さらに、今季はシーズン中のレクサス陣営内の接触やクラッシュが多く、序盤にライバルを圧倒しながらもシーズン中盤にMOTUL AUTECH GT-Rにランキングトップを奪われ、『同士討ち禁止令』に近いものは発令されたほど、一時はレクサス陣営も追い込まれた。

 その同士討ちの原因となってしまったドライバーたちを中心に、来季のシートが見直されているのと平行して、新しい外国人ドライバーの加入、そして、スーパーフォーミュラに続いて小林可夢偉、フェリックス・ローゼンクビストのスーパーGTレギュラー参戦がウワサされている。

 具体的にはチャンピオンを獲得した37号車、KeePer TOM'S LC500とZENT CERUMO LC500以外の4チーム、トムス36号車au TOM'S LC500、6号車チームルマンWAKO'S 4CR LC500、39号車DENSO KOBELCO SARD LC500、そして19号車WedsSport ADVAN LC500にドライバー交代のウワサが聞こえてきている。

 レクサス陣営に関わらず、スーパーGTの2018年シーズンに向けての動きは、今月下旬にマレーシア、セパンで行われるテストから始まるだけに、もしかしたらその場で新しい情報が明かになるかもしれない。