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大みそかでもOK「結婚するなら年内」、「離婚するなら年明け」と税理士が言う理由

2017年12月09日 10:52  弁護士ドットコム

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どんな分野でも、専門家なら誰しもが知っているお得情報があるものだ。たとえば税理士たちの豆知識の1つに「結婚するなら年内、離婚するなら年明けにした方がお得」というものがあるそうだ。どうしてそう言えるのか。蝦名和広税理士に聞いた。


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●なぜ「結婚するなら年内」?

ーー結論から聞きますが、「結婚するなら年内、離婚するなら年明けにした方がお得」って本当なのでしょうか


蝦名「本当です。年内結婚・年明け離婚がなぜお得だと言えるのか、会社員の夫(年収500万円)と専業主婦の家庭を例に、所得税の面から検討していきましょう。


所得税法では、夫が妻を扶養する場合、夫は配偶者控除(38万円の所得控除)を受けることができますので、結果として夫の税額は減少することになります。年収500万円の会社員の夫が配偶者控除を受けると、38,800円の減税となります」


ーーモデルケースは専業主婦ですが、妻の収入制限はあるんですよね?


「妻の収入によって違います。配偶者控除を受けるためには妻の年間所得38万円未満に限られます(38万円超76万円未満であれば配偶者特別控除を受けることができますが配偶者控除より減税効果は小さくなります)。


たとえ年内に結婚して妻が専業主婦になったとしても、1月から結婚までの間に妻にこれ以上の所得が生じている場合には、その年にはこれらの控除を受けることはできません。ここは誤解されている方も多く、年末調整や確定申告でよく税務署から指摘を受ける部分ですので注意が必要です」


ーーつまり、同じような収入のある会社員カップルの場合、年内結婚をすることの税のメリットはあまりないのでしょうか


「そうですね。会社員カップルの場合、夫または妻に扶養されることはないですから、いつ結婚しても、変わりはないんですよ」


●大晦日でも間に合う

ーーちなみに年内といっても、12月のいつ頃までに結婚すると良いのでしょうか。極端な話、12月31日でも良いのでしょうか


「良いんです。12月31日で間に合います。と言うのも、配偶者控除を受けられるかどうかは、12月31日時点での状態で判定することになります。年末ぎりぎりのタイミングで結婚すると、扶養の実態は1か月にも満たないわけですが、その年分の配偶者控除を受けることができます」


ーー所得税の面から言って、離婚するタイミングにも影響しそうですね


「冒頭でも言いましたが、離婚するなら年明けに、となります。年末に離婚すると、11か月以上扶養の実態があるにも関わらず、12月31日時点で独身になっていれば、その年分の配偶者控除を受けられません」


ーー配偶者控除の見直しが予定されていたと思いますが、この影響はないんでしょうか


「税制改正により平成30年から配偶者控除・配偶者特別控除が見直されます。先ほどの年収500万円の会社員の夫のケースだと、妻の年間所得が85万円以下までなら、これまでの配偶者控除と同額の控除受けることができるようになります。


その反面、これまでは配偶者控除を受ける夫の側に所得制限はありませんでしたが、平成30年からは年収1,120万円(合計所得金額が1,000万円)を超える会社員の夫が妻を扶養したとしても、配偶者控除が受けられなくなります。


つまり平成30年以降は、年収1120万円以上の富裕層が専業主婦と結婚・離婚する上では、年内に結婚しようと、年明けに離婚しようと関係なくなってしまうのです」


【取材協力税理士】


蝦名 和広(えびな かずひろ)税理士


税理士・特定社会保険労務士・海事代理士・特定行政書士。北海学園大学経済学部卒業。札幌市西区で開業、税務・労務・法人設立まで幅広くクライアントをサポート。趣味はクレー射撃、一児のパパ。


事務所名   : 蝦名事務所


事務所URL: https://office-ebina.com


(弁護士ドットコムニュース)