2018年に新型GTEマシン『BMW M8 GTE』をデビューさせるBMWは12月5~6日、アメリカのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催された合同プライベートテストに参加し、アメリカでは初となるテストプログラムを完了させた。
来年1月25~28日に行われるIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ(WSCC)開幕戦デイトナ24時間レースで実戦デビューを飾るM8 GTE。
新車の開発を進めるBMWは今年7月に行われたシェイクダウンからの約半年間、ドイツ・ラウジッツリンクやスペインのカタルーニャ・サーキットなど、主に欧州を中心にさまざまなテストを実施し、シャシーの改良や冷却システムなど各コンポーネントのチェックを行うほか、段階的に空力特性の見直しを行いエアロダイナミクスを更新してきた。
また、実際にマシンを操るドライバーのフィードバックによって人間工学に基づいたコクピットの最適化も進んでおり、11月にはフランスのポール・リカールで24時間連続走行テストを成功させている。
そんなBMWは、2018年1月5~7日に開催されるデイトナ24時間の事前テスト『ロア・ビフォア・ロレックス24』に先立ち、今月5~6日に行われた合同テストに参加。
過去2年『BMW M6 GTLM』でWSCCのGTル・マン(GTLM)クラスを戦い、来季からM8 GTEを運用するBMWチームRLL(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)とともにカーボン地の新型マシンを走らせた。
北米での初テストとなった今回、M8 GTEのコクピットにはBMWチームRLLのジョン・エドワーズと新加入のコナー・デ・フィリッピが収まったが、開発ドライバーであるマルティン・トムチェクもこれに加わり、パフォーマンス、エアロダイナミクス、エレクトロニクスに関する耐久テストプログラムを完了させている。
「今日の走行はBMW M8 GTEにとってアメリカでの初めてのテストで、僕にとっても新車をドライブする初めての機会だった」と語るのは今季、WSCCで24号車BMW M6 GTLMを駆ったエドワーズ。
「開発作業の一部に関われたことにとても興奮しているよ。僕たちは2日間の間に包括的なテストを行った。チームは新車についてたくさんのことを学んだし、シーズンの準備を続けていくためにプロセスを構築することができたよ」
また、デ・フィリッピは「テストではいろいろなことを試すことができ、開発を進められた」とコメント。
「僕らはまだ、さまざまな箇所に変更を加えなければならないが、開発は正しい方向に向かっていると考えている。このテストは来月の公式テストに向けて良いものになったし、重要な準備を整えるものになったよ」