アルファロメオの名がザウバーのパートナーとしてF1に戻ってくることが明らかになったが、フィアット・クライスラー・オートモービルズCEOのセルジオ・マルキオンネは、同じく同社が保有するブランド、マセラティも同様の形でF1に参入する可能性があると発言した。
2018年からアルファロメオはザウバーと戦略的、商業的、技術的提携を結び、チームのタイトルスポンサーを務める。フェラーリ会長でもあるマルキオンネは、同様の契約をマセラティとハースが結ぶ可能性があると発言した。
「今日明らかにしたこと(ザウバーとアルファロメオの契約)以外に、ハースとの契約がなんらかの形に転じる可能性があるか? 答えは“イエス”と言っていいだろう」とマルキオンネが週末に話したと、PlanetF1.comが報じた。
「今はこの話がまとまる状況には程遠いが、可能ではある。様子を見ていこう。時がたてば分かるだろう」
マセラティはワークスチームとして1950年代にF1に参戦した経験を持ち、1950年代から1960年代にはエンジンサプライヤーとしても活動した。1954年と1957年にはマセラティに乗るファン・マヌエル・ファンジオがチャンピオンの座に就いた。
2016年からF1で活動しているハースF1チームは、フェラーリとパワーユニットを含む技術提携を結んでおり、シャシー製造はダラーラに依頼している。ダラーラもマセラティと深いつながりを持っている。
ダラーラとタイトルスポンサー契約を結べば、ハースには年間2,000万ユーロ(約26億6,000万円)の資金が入るものと推測されている。これによってパワーユニット料金をまかなえるかもしれないが、一方でフェラーリがドライバー選択に関して発言権を持つようになるだろう。アルファロメオ・ザウバーは、2018年、フェラーリのジュニアドライバーであるシャルル・ルクレールとレースドライバー契約を結んだ。
マセラティ・ハースは2018年に誕生する可能性もあるとの報道が一部でなされているが、ハースはすでに来年も2017年のドライバーラインアップを継続することを決めている。フェラーリからジュニアドライバー、アントニオ・ジョビナッツィを乗せたいという依頼はあったが断ったと、チーム代表ギュンター・シュタイナーは明かしている。
フェラーリは、パワーユニットパートナーであるこの2チームとの関係を強固にすることで、F1との交渉をより有利に進めることができるようになるとの見方も出ている。フェラーリはF1オーナーのリバティ・メディアが提示したF1の方向性に反発し、撤退の可能性をちらつかせている。