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NEWSはなぜ挑戦者であり続けるのか? 4人の個性がグループに還元された“NEWSICAL”を見て

2017年12月08日 07:52  リアルサウンド

リアルサウンド

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 NEWSが、12月6日放送の『2017FNS歌謡祭』(フジテレビ系)に出演した。彼らが歌番組に出演するたび、複雑な思いで画面を見つめてしまう。どこか他人事には思えない緊張感がいつも脳裏をかすめるのだ。それは、彼らが常に爪痕を残そうとしているのが伝わってくるからかもしれない。NEWSは、いつだって挑戦者。そして、テレビ画面越しに伝わってくるチャレンジスピリットに気づけば勇気をもらっているのだ。この感覚こそまさに“THEアイドル”というものなのではないだろうか。


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 周知の通り、NEWSは度重なるメンバー脱退の結果、今の4人組となった。ときには、グループとして活動できない時期も。そのなかで、小山慶一郎はキャスターという新境地を切り拓き、加藤シゲアキは小説家として才能を開花させ、増田貴久はファッションセンスで注目を集め、手越祐也は歌唱力に磨きをかけると共にバラエティで人気を博した。そんな個性も得意分野もバラバラな4人の中に、ずっとブレずにあったのが“NEWSのために”という想い。


 それぞれの分野で大活躍している彼らも、来年デビュー15周年を迎える。それほどのキャリアを誇りながらも、4人がずっと挑戦者であり続けるのはなぜか。その答えは、NEWSというアイドルグループが存在することが決して当たり前ではないと、彼ら自身が実感しているからだろう。4人全員が“NEWSであり続ける”という自己実現を、今も必死で成し遂げようとしているのだ。


 『2017FNS歌謡祭』でも、NEWSは4人でオリジナルのミュージカル=NEWSICAL(ニュージカル)に挑んだ。加藤が脚本・演出、増田が衣装デザイン、手越が多重録音、小山が主役を務める。放送直前の特番では、増田が服飾学校でミシンを踏む姿や、手越のレコーディングシーン、そして加藤と小山が打ち合わせ風景が映し出された。初めてのことに戸惑いながらも、自分にしかできないことでグループに還元しようと、ひたむきに取り組む4人は実にけなげだ。


 そして、本番。4人が手探りで作り上げたミュージカルは、見ているこちらがちょっと照れくさくなるほど荒削りで、初々しかった。 加藤の描いたストーリーは驚くほどイノセントな世界。増田の手掛けた衣装は想像以上の斬新なデザイン。手越の歌声は主旋律を歌うときとは異なる表情を見せる。小山のコミカルな演技はドラマ『重要参考人探偵』(テレビ朝日系)を彷彿とさせる。少しの違和感と、そこから見えてくる新たな魅力。NEWSが挑戦を続ける意味を感じる瞬間だ。


 今回披露されたのは、約4分のショートバージョン。12月25日24時20分からは6分間のフルバージョンと、その制作過程に迫ったドキュメンタリーを収めた『NEWSICAL』が放送される。彼らの作品には、いつも語り尽くせないほどのこだわりが詰まっている。この挑戦で、彼らが得たもの、そして成長した部分をじっくり堪能することができるはずだ。


 だが、まだまだこんなもんじゃないだろう!? 初挑戦に大きな拍手を送りつつも、また期待を寄せてしまう。願わくば“NEWSICAL”を、これからも貪欲に磨き上げていってほしい。気づいたら彼らが他の人には真似できない才能溢れるグループになったように、“NEWSICAL”が4人にしかできない唯一無二のパフォーマンスとなるように。その力が、NEWSにはあると信じているからだ。(佐藤結衣)