ファッション誌『VOGUE』などを展開するコンデナストジャパンは12月7日、博報堂DYメディアパートナーズと共同で、「ミレニアル世代のファッションブランド意識調査」の結果を発表した。
ミレニアル世代とは、2000年代に成人を迎える、1980年~2000年初頭生まれの人を指す。調査は『VOGUE』読者を中心とした「VOGUE JAPAN ID」メンバーと、博報堂DYメディアパートナーズが持つデータから抽出した人を中心に、16~55歳の女性2367人に実施。37歳以上の「上の世代」と比較して分析した。
購買意欲が低いと思われがちだが、「いつか購入したいブランドがある」との回答はミレニアル世代のほうが上
「ファッションブランドに対する考え方」では、「いつか絶対購入したい憧れのブランドがある」と回答したミレニアルが34%、上の世代が21%と、ミレニアルのほうが多かった。若い世代は購買意欲が低く、高級ブランドへの関心も薄いと思われがちだが、実際は上の世代よりも関心が強いようだ。
「ラグジュアリー、高級ブランドのイメージ」は、「上質なもの、洗練されているもの」「自分を高めてくれるもの」が両世代で上位だったが、「購入時に重視するイメージ」には違いが見られた。37歳以上の世代では「女性らしい」が48%でトップだったのに対し、ミレニアル世代の1位は「上品」(40%)。また、上の世代が「ゴージャス」(19%)、「セクシー」(17%)など、煌びやかさを重視するのと対照的に、ミレニアル世代では「シンプル」(31%)、「スタイリッシュ」(22%)などが重視されていた。
年間50万円以上をファッションにつぎ込む「スーパー・ラグジュアリーミレニアル」も
調査では、ファッション購買額が高いミレニアル世代を「ラグジュアリーミレニアルズ(LM)」、中でも年間50万円以上をファッションに使う人を「スーパー・ラグジュアリーミレニアルズ(SLM)」と定義し、その実態に迫った。
衣服に多くお金を使えるだけあって、LM、SLM共に経済的なゆとりはあるようだ。ミレニアル世代全体の会社員比率は20%だが、LMでは40%、SLMでは56%にまで増える。育ってきた環境にも違いが見られた。「両親は教育熱心だったと思う」という回答は、全体では11%、LMが22%、SLMが40%となっている。
LMやSLMは、ブランドを知ったきっかけもラグジュアリーだ。ミレニアル世代全体で最も多いきっかけは「店舗で見た」で、次いで「雑誌記事や広告等」と続くが、LMやSLMは、雑誌記事等に次いで「両親が所有・教わった」が多かった。また、「祖父母が所有・教わった」と回答する割合はSLMが最も高い。ファッションにお金を使えるだけの経済的余裕も、親や祖父母から受け継がれている可能性がある。