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「たばこはそんなに悪いのですか?」 すぎやまこういち、山路徹、森永卓郎らが「禁煙ファシズム」と行き過ぎた規制を批判

2017年12月07日 16:11  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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喫煙に対する規制が強まる中、喫煙文化研究会は12月5日、緊急シンポジウム「たばこはそんなに悪いのですか?2017」をスクワール麹町で開催した。作曲家で同研究会代表のすぎやまこういちさんやジャーナリストの山路徹さん、経済アナリストの森永卓郎さんらが登壇し、行き過ぎた喫煙規制に警鐘を鳴らした。

都条例は「家庭という極めてプライベートな空間に踏み込んでいくもの」

東京都議会で今年10月、「子どもを受動喫煙から守る条例」が賛成多数で可決された。同条例では、保護者に対して、子どもがいる室内や車内での喫煙を控えるとともに、煙にさらされるような場所には子どもを連れて行かないよう求めている。いずれも努力義務で、罰則は設けられていない。

この条例について山路地さんは「家庭という極めてプライベートな空間に踏み込んでいくもの」と批判。現代史家で元日本大学教授の秦郁彦さんも、「古代ローマ以来の『家庭は法に入らず』というルールを破っている」と憤慨する。

家庭や自家用車の中での禁煙を努力義務にした同条例は、現行の法体系そのものに馴染まないのかもしれない。野中信敬弁護士も、この点に疑問を呈している。

「例えば、警察が家宅捜索をする時は、裁判官の令状が必要です。令状がなければ住居侵入になってしまう。また同居の親族間ではお金を盗んでも刑を課されないし、夫婦間の財産契約は取り消せるんです。憲法を頂点とした法律の考え方として『法は家庭に入らず』ということが生きているわけです。それにも関わらず、条例で踏み込んでいいのでしょうか」

喫煙規制が急速に進む背景には、オリンピックまでに徹底した禁煙を実現しようという論調がある。しかし、森永さんは「東京はすでに厳しい喫煙規制を敷いている」と指摘する。

「欧米では、屋内では禁煙でも、屋外は自由。テラス席では吸えるというのが世界の常識です。ところが東京都では、屋外も屋内も禁煙にして、さらに家庭内も禁煙にしようとしている。これはファシズム以外の何物でもありません」

国民の健康よりも、「政治家は実績が欲しい」?

喫煙規制は政治問題化している、と指摘したのは、ジャーナリストの須田慎一郎さん。

「政治家は、国民の健康を守ろうというより、このイシューを使って上手く立ち回ろうとしている。小池百合子・東京都知事は、国に先駆けて喫煙規制に踏み込むというパフォーマンスを行い、豊洲問題で定着した"決められない都知事"というイメージを覆したいのではないか」

喫煙問題を政治利用しているのは、小池都知事だけではない。森永さんによると、「自民党も希望の党が怖いから喫煙規制を進めている」という。「希望の党と歩調を揃えて喫煙規制を進め、『自民党は喫煙者の味方』という汚名を晴らす必要があるんです」。

日本維新の会の石井苗子参議院議員も「物事を解決しようとしているというより、政治家は実績が欲しいのでしょう」と指摘。現役の議員だけに、説得力のある指摘だ。石井氏自身は、喫煙者ではないが、全面禁煙ではなく分煙をすべきだと考えているという。

「たばこがないと仕事が成り立たない」「喫煙にもメリットがある」

すぎやまさんは、「ドラゴンクエスト」の映画音楽や「科学忍者隊ガッチャマン」のアニメ音楽、ザ・ピーナッツの作曲家として知られている。自身も愛煙家であり、「作曲に行き詰ったときは、たばこを一服すると次が書ける」という。

「音楽は休止符がないと成り立たないんです。僕にとって、仕事の合間に一服するのは、休止符と同じで、これがなければ仕事が成り立たない」

と語った。山路さんも「渡る世間は鬼ばかり」の脚本家・橋田壽賀子さんが愛煙家であったことを引き合いに出し、「喫煙にはクリエイティブな部分でのメリットがある」と応じた。