ホンダは、2018年にスクーデリア・トロロッソとの新たなパートナーシップをスタートするにあたり、F1の運営体制を一新することを発表した。
2015年、マクラーレンのパワーユニットパートナーとしてF1に復帰したホンダは、2017年末をもって契約を終了。来年はトロロッソにパワーユニットを供給し、F1活動を継続する。
7日、ホンダは、新たなスタートを切るにあたり運営体制を変更することを発表した。新体制ではHRDさくらをを担当する執行役員が研究開発をリードするとともに、レース・テスト運営も統括する一方、現場の指揮に専念するテクニカルディレクターを新たに設置する。初代テクニカルディレクターには田辺豊治氏が就任し、F1プロジェクト総責任者のポジションは廃止される。
これに伴い、2年にわたりF1プロジェクト総責任者を務めた長谷川祐介氏は退任することになった。2018年1月1日からは本田技術研究所 主席研究員としての職務に当たるということだ。
長谷川氏は、新井康久氏に代わって、2016年3月1日からF1プロジェクト総責任者の役割を務めてきた。ホンダのF1第3期にはジャック・ビルヌーブと佐藤琢磨の担当エンジニア、現場のチーフとして関わり、レース経験豊富な長谷川氏は、マクラーレン・ホンダのパートナー復活の2年目からプロジェクトを任されることとなった。
ホンダ復帰初年度の2015年には合計ポイント27点でコンストラクターズ選手権9位に沈んだマクラーレン・ホンダは、2016年には76点を獲得し、6位に浮上。しかし2017年に向けてパワーユニットのデザインを一新したこともあり再び苦戦し、今年は合計30点獲得でランキングも9位に逆戻りした。9月15日にはマクラーレンとのパートナーシップを2017年限りで終了すること、来年からトロロッソにパワーユニットを供給することが発表された。
2018年1月1日付けでテクニカルディレクターに就任する田辺氏は、1984年に本田技研工業に入社、マクラーレン・ホンダのゲルハルト・ベルガー担当エンジニアを務め、インディカーのエンジン研究を経て、F1の分野に戻り、ジェンソン・バトンのチーフエンジニアなどを務めた。2008年には本田技術研究所のF1開発責任者の役割を担い、2013~17年にはHPD シニア・マネージャー 兼 レースチーム チーフエンジニアを務めていた。
本田技研工業株式会社 執行役員 ブランド・コミュニケーション本部長 森山克英氏は、今回の発表に際し、以下のように語っている。
「これまで、F1プロジェクト総責任者が担っていた技術開発とレース現場指揮監督の責任範囲を分離し、開発とレース・テスト現場それぞれが、よりスピーディーに業務を遂行できる体制へと進化させます」
「開発現場とレース現場が各々の役割をしっかり果たすことで、トロロッソ・ホンダが上位争いをする姿を一日でも早くお見せできるよう挑戦を続けてまいります。引き続き皆さまの応援をよろしくお願いします」