12月6日に行われたFIA国際自動車連盟のワールド・モータースポーツ・カウンシルで、WRC世界ラリー選手権の2018年シーズンに向けてレギュレーション変更が行われた。
WRCでは2017年から最上位クラスの車両規則が変更され、マシンのエンジン出力と空力性能が向上。“史上最速”とも言われるWRカーで争われている。
ただ、開幕前にはドライバーや関係者から安全面を懸念する声もあり、新規則導入初年度の2017年は新型WRカーでのエントリーは各マニュファクチャラーが承認したドライバーのみに制限されてきた。
そのため、2017年にプライベーターとしてフォード・フィエスタWRCをドライブしたマッズ・オストベルグなども、エントリーリストではMスポーツから参戦する形になっていた。
しかし、2018年からこの制限が撤廃。プライベートチームや各ドライバーが2017年型WRカーを購入し、マニュファクチャラーの承認を得ずにエントリーを行うことが可能となる。
ただし、エントリーにはFIAラリー部門による審査が行われるほか、車両にはテスト走行を経て性能調整が施される予定だ。
なお、2016年まで使われてきた“旧型”WRカーでも引き続き最上位クラスへエントリーすることは可能だが、2017年に設けられたプライベーター向け選手権“WRCトロフィー”は行われない。
また、このワールド・モータースポーツ・カウンシルでは2018年シーズンのタイヤサプライヤーも決定。引き続きミシュランとピレリ、DMACKの3メーカーが各クラスにタイヤを供給する。
下位クラスにあたるWRC2についても決定が下されている。2018年のWRC2は全7戦で構成され、そのうち6戦の成績で争う有効ポイント制が維持される。一方で、2017年シーズンでは複数大会に設けられていた参加義務が生じる大会はなくなった。
また、WRC2にフル参戦していないドライバーがR5車両でエントリーする場合やフル参戦していないチームからエントリーする場合は、ミシュラン、ピレリ、DMACK以外のタイヤブランドを使用することが可能に。これにより、ローカルドライバーのエントリー増加が見込まれている。
2018年の開催スケジュールについては、2017年9月に変更されたものから変更はなし。2018年1月のラリー・モンテカルロで開幕し、2018年11月のラリー・オーストラリアで最終戦を迎える全13戦の構成となっている。