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MotoGP:中上貴晶、ホンダRC213Vのお気に入りは「シームレス・ギヤ」

2017年12月06日 19:41  AUTOSPORT web

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『Honda Racing THANKS DAY 2017』でお披露目された新カラーリング
2018年シーズン、LCRホンダ・イデミツよりMotoGPクラスに参戦する中上貴晶。これまでの経歴をあらためて振り返りながら、中上が2018年シーズンに向けて語った意気込みをまとめた。

 中上は1992年生まれ、千葉県出身。4歳からポケバイに乗り始めた。その後12歳でロードレースデビューを飾り順調に経験を重ね、14歳のときGP125クラスで全戦全勝でチャンピオンに輝く。最年少優勝記録を更新し、さらに最年少でのチャンピオン獲得だった。

 全日本チャンピオンとして、15歳でMotoGP最終戦バレンシアにワイルドカード参戦。さらに翌年からアプリリアのマシンを駆ってMotoGP125ccクラスにフル参戦を果たした。

 しかし、このときは思うような成績を残すことができず、2010年から全日本ロードレース選手権に舞い戻る。2011年に全日本J-GP2でチャンピオンを獲得すると、2012年から世界選手権に復帰。以降、中上は2017年までの6シーズンをMoto2クラスで戦い、2勝を含む14度の表彰台を獲得して2018年から最高峰クラスにステップアップを果たす。

 中上は、オートバイレースに対する情熱について「4歳で(レースを)始めたときから、今で何も変わっていません」と語る。

「ある日、僕はプロレーサーになりたいんだと理解したんだと思います。僕にとってレースを楽しむことは大事ですが、チームのことを考えるといい結果を残したときにとてもうれしくなります。自分のスタッフが笑顔でいいレースだったと祝ってくれるのを見ると、すばらしい気持ちになるんです」

 つい先日の12月3日、ツインリンクもてぎで開催された『Honda Racing THANKS DAY 2017』で中上のMotoGPクラスの新マシンカラーリングがお披露目された。引き続きメインスポンサーとなるイデミツの『アポロマーク』がサイドカウルにプリントされ、ゼッケンナンバーのデザインはMoto2マシンより少し変化している。

「ホンダ、イデミツ、そしてLCRがこのサプライズを準備してくれました。新カウルはとてもすばらしいです。ファンのみなさんも間違いなく新しいカラーリングを好きになってくれたでしょう!」

 ゼッケンナンバーはMoto2時代から変わらず30。これにはなにか特別な理由があるのだろうか。

「14歳のとき(2006年)、僕はMotoGPアカデミーを運営するアルベルト・プーチ監督のもとでスペイン選手権に参戦していて、プーチさんが僕に選んだゼッケンナンバーが30でした。僕はそれを気に入っていたので、ずっとこのナンバーを使い続けようと決めたんです」

 14歳からスペインのレースにも参戦していた中上。ちなみに、ヨーロッパで最もお気に入りなのは「ヨーロッパのすべてが好きです。すばらしい食事に興味深い文化、そしてかわいらしい女の子(笑)! でも、やっぱり食べ物が一番好き」なのだとか。

■ホンダC213Vのシームレス・ギヤに好感触

 2017年シーズンの最終戦バレンシア後に行われたMotoGPテスト。中上は11月14~15日の公式テストを初日、2日目ともに17番手で終えている。さらに11月22~23日に行われたプライベートテストでは初日11番手、2日目12番手。中上はホンダRC213Vの印象についてこう語る。

「力は信じられないほどです。乗るたびにRC213Vのポテンシャルを信じられないくらいですよ。なかでも僕が一番気に入っているのは、シームレス・ギヤですね」

「今のところ特別な食事などはありませんが、僕はこのバイクを乗りこなすためによりトレーニングを強化しました。僕は特に、上半身を鍛える必要があります。だから毎日ジムに通い、自転車や水泳などのトレーニングをしているんです」

 来るべき2018年シーズンに向け、着々と準備を進める中上。来季は中上を含め、フランコ・モルビデリ、トーマス・ルティ、チャビエル・シメオンの4人がMotoGPルーキーとして最高峰クラスにエントリーしており、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを争うことになる。

 中上は「もちろん、(ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得するのは)僕ですよ! ルーキー・オブ・ザ・イヤーは間違いなく、2018年シーズンの僕の目標です」と意気込む。

 中上のチームメイトはMotoGP参戦8シーズン目となるカル・クラッチローだ。クラッチローとの関係はどうなのだろうか。

「カルはすばらしい人です。MotoGPマシンでたくさんの経験を持っていますから。来季、カルと同じガレージにいることができて、僕はとてもラッキーだと思います。カルからできるだけ多くのことを吸収したいですね。それから、カルはとってもおもしろい人なんですよ」

 最高峰クラスで参戦することになる2018年シーズンへの意気込みを、中上はこう語った。

「ほんとうにすばらしいです! 夢が叶いました。僕はMotoGPのすべてが好きです。そして、このような信じられない機会を与えてくれたホンダに感謝したいです」

「LCRホンダ・イデミツでシーズンをスタートするのが待ちきれないですよ」

 2018年1月、まずはマレーシアでセパンテストが行われる。開幕は3月18日。ファンは中上がMotoGPマシンで活躍する姿を待ち望んでいる。