トップへ

欅坂46 平手友梨奈、平井堅「ノンフィクション」のコラボ相手になぜ選ばれた?

2017年12月06日 19:32  リアルサウンド

リアルサウンド

写真

 12月6日に生放送される『2017 FNS歌謡祭 第1夜』(フジテレビ系)にて、欅坂46の平手友梨奈と平井堅がコラボレーションする。同ステージで平手は、平井の「ノンフィクション」に合わせて、東方神起や安室奈美恵のバックダンサーとしても活躍しているRui(CRE8BOY)の振付によるソロダンスに挑む。


参考:平井堅、『小さな巨人』主題歌はなぜ胸を打つのか すぐれたソングライターとしての一面を読む


 平井が亡き友人を思い作詞した同曲は、MVで舞踏家の工藤丈輝と共演し話題を集めた。MVが公開された時に平井は「生と死の淵があるとするならば、死から生を見つめたこの『ノンフィクション』を、僕自身がかねてよりファンである舞踏家の工藤丈輝さんが見事に表現して下さっていて、撮影時は鳥肌が止まりませんでした。魂の舞と魂の歌が伝わると嬉しいです」とコメント。MVでは、花束を持つ平井が叙情的な歌を披露し、その周りで白塗りの踊り手が躍動的に踊る模様が収められている。平井の心の感情を表現するようなダンス、静と動が共存するMVの世界はミステリアスであり、また情熱的でもある。また、今回振付けを担当するRuiはジャズヒップホップダンスを得意とし、2016年の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)では平井の「魔法って言っていいかな?」にバックダンサーとして参加。歌詞の世界観を見事にダンスで表現し、その感動的なダンスはネット上で大きな反響を呼んだ。


 複雑な感情が入り混じる楽曲と一流のダンサーによる振付……今回のコラボはいちアイドルにとってハードルの高いものと言える。しかし、生と死の世界観や憑依型のダンスという意味では、欅坂46の『夏の全国ツアー』の最終公演に、観客を圧倒させるようなパフォーマンスを見せた平手との親和性は高いのかもしれない。同公演のWアンコールで平手は、自身のソロ曲「自分の棺」から「不協和音」を続ける場面にて、顔を血まみれにし、狂気的な笑みを浮かべながら迫力のあるダンスを披露。アイドルのダンスという枠を壊すような、まさに憑依と言えるパフォーマンスを見せた。おそらく今回のコラボは、そんな彼女の表現者としての実力に期待してのものなのだろう。


 平手は5歳から13歳までバレエを習っていたが、欅坂46で行っているダンスはまた別次元の難しさがある。しかし、結成から2年ほどで最新シングル「風に吹かれても」の高度なダンスを表情豊かに踊る姿は、努力だけでは賄いきれないセンスを感じさせる。そのダンスセンスを開花できたのも、欅坂46の振付を担当するTAKAHIROとの出逢いがあってこそのものだ。


 『SONGS』(NHK総合)に平手とTAKAHIROが出演した際、「欅坂46のダンスの魅力は?」という質問に対して「1曲1曲にストーリーがある」と語り、ダンスで意識することは「振付の意味を聞いたりする」と答えていた。また、TAKAHIROも振付を考える際は、振付前に歌詞についてメンバーと話し合う過程を設けていると明かしており、「振付は私が付けるんじゃなくて、平手だったりメンバーが持っているものが、引き出されるのがきっと正解で、引き出す為の鍵が歌詞で」と答えている。そのほか、彼女たちの生き様を表現できるようにメンバーが自由に踊るパートを設けているなど、彼女たちのリアルな感情をダンスに反映していることがわかる。


 楽曲の意味と自分の感情を重ね合わせたパフォーマンスを見せられることから、平手のダンスは「憑依型」と言われている。ただ「憑依型」と言われることに関しては、「“憑依型”って言われるけど、成りきってるわけじゃなくて楽曲が合ってきちゃってるので、そのままの自分っていう感じでもあります 」(『ROCKIN’ON JAPAN』12月号より)といった発言にもあるように、本人にとっては今の自分を表現しているにすぎないのかも知れない。 ただ、深読みさせる平手のミステリアスな側面は、秋元康曰く「深読みしたくなる人がスターになる」という言葉に繋がり、平井堅の歌う「ノンフィクション」という楽曲が持つ奥深さにもリンクするものがある。


 ただでさえコンテンポラリーダンスは、多くの人に理解されるのは難しいジャンル。さらに、アイドルが踊るとなると色眼鏡で見られる可能性も高いだろう。ただ、今までに平手は周囲の声を圧倒的なパフォーマンスで黙らせ、納得させてきた実績がある。今回のステージで、楽曲の世界と今の自分をどのようにリンクさせるのか、TAKAHIROではない振付にどう対応してくるのか。いずれにせよ、今回のコラボで平手は、アーティストとしての真価が問われることになるだろう。(本 手)