セバスチャン・ベッテルはアブダビで、最後となるフェラーリ『SF70H』での走行を楽しんだ。
ベッテルにはマシンにニックネームを付ける習慣があり、彼とともに今季5度の優勝を飾った『SF70H』には“ジーナ”の名が与えられていた。このマシンは2010年にフェルナンド・アロンソが駆った『F10』以来、フェラーリで最も成功したマシンとなった。
「寂しいよ。楽しいシーズンだったし、終わってしまったのが少し残念だ」とベッテルは語り、以下のように続けた。
「あと5レースくらい戦いたかった。そうしたら本調子が出せたと思うよ! でも来年に向けて多くのことが進行しているのを目にしているから、それもとても楽しみだね」
現世代のF1マシンは非常に洗練されたテクノロジーが組み込まれており、その運用にはエンジニアリングのリソースが必要とされるため、ベッテルが近いうちに再び“ジーナ”を駆ることはないと考えられる。
「最近ではマシンを動かすのが簡単ではないから、きっとあれが最後だったんだろう」
「昔は(走らせるのが)簡単だったし、V8ならたまに乗る機会はあったかもしれない。でもこのパワーユニットは複雑なんだ。あり得ないことだと思う」
2018年にはコクピット保護デバイス“ハロ”の義務化が決定している。ドライバーの視界は遮られ、ファンとっても残念な外観となるため、ベッテルは来季のレースをあまり楽しみにしていないという。
「楽しみだとは言えないが、これも勝負の一部分だ」
「慣れていくと思うよ。これまで何度か試してきたけれど、グリッドのスタートシグナルなど、変えるべきことがいくつかあるのは確かだ」
「少しばかり試してみる必要がある。来年のマシンに取りかかるときに試すことになると思う。でもハロが顔の前、ヘルメットの前にくるのは確かだ。慣れるだろうけどね」
「見る必要のあるものは見えるようになっている。そうでなければ導入されるわけがない」