2017年のスーパーGT500クラスを制した平川亮/ニック・キャシディ。ともに23歳という若さでのタイトル獲得が話題を呼んだが、若いふたりはシーズンを終えたいま、一年を振り返って何を思うのだろうか。今季の裏側と、現在の胸中に迫った。
今年のKeePer TOM'S LC500は、開幕戦から上位で繰り広げられたLC500同士のバトルを制して優勝。その後の第2戦でも表彰台に乗り、一気にシリーズをリードした。
平川は「僕は岡山で勝てると思っていました。でも、ここでリスクを取らなくても、どこかで勝てるだろうと思っていました」と、開幕の時点から相当の自信を持って戦っていたことを明らかにする。
とくに各車にウエイトが載り切るまでのシーズン序盤は、ときに接触を交えながら、レクサス内で激しい覇権争いが繰り広げられたが、キャシディはレクサス内でのバトルについて、「プレッシャーをあまり感じることなく、フェアな戦いができたと思う」という。平川同様、キャシディも若さに似つかわしくない落ち着きぶりで、激戦をいなしていた。
ただし、序盤の3戦を終えて勢力図はにわかに変わり始めていた。「6月のテストのときには、すでに(ニッサン)GT-Rが僕たちと同じか、それ以上にパフォーマンスを上げてきている印象があり、”ヤバいかな”と思った」とキャシディ。
SUGO、富士、鈴鹿と夏の3連戦はウエイトもかさみ、我慢のレースとなった。ふたたびびキーパーが輝くのは、ウエイトがポイントと同一に減らされる第7戦タイ。ここで平川は値千金のPPを獲得する。
平川は「予選までは優勝については考えていませんでしたが、PPを獲れたし、クルマの調子もいいので、ここで勝てば最終戦でのチャンスがすごく大きくなる」と、予選後に今季2勝目を意識し始めたという。
そして難しいコンディションのレースながら、見事PPから優勝を飾った。「あそこで勝てていなかったら、たぶん(最終戦で)逆転されていたでしょうね」(平川)。
最終戦は予選3番手という結果に終わり、タイトルを争うWAKO'S 4CR LC500(予選2番手)とMOTUL AUTECH GT-R(PP)に先行された。「ニスモの優勝は堅いと思った。けど、ポイントは6号車(WAKO'S LC500)だった」とスタートドライバーのキャシディ。自分たちよりも軟らかいタイヤを履くWAKO'Sについてキャシディは「比較的簡単に抜けるだろうと思っていた」という。
結果的にはフォーメーションラップで起きたMOTUL GT-RとWAKO'S LC500の接触にも助けられ、序盤にWAKO'S LC500をパス。2位を守ってタイトルを獲得した。平川はフル参戦3年目、キャシディは2年目での快挙だった。
「生意気だと思われるかもしれないけど」と前置きし、平川は2018年についてこう語る。「来年(2018年)も、獲れると思います。そんなに甘くないことも充分理解していますが、今年よりも僕自身が良くなれると思っていますし、防衛というよりは連覇に向けたチャレンジだと思っています」。
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