シチズン時計は12月4日、全国の新入社員を対象とした「社会人1年目の仕事と時間の意識」の調査結果を発表した。「無駄だと感じる仕事時間はありますか」という質問に、約6割が「ある」と答え、そのトップが「朝礼」だった。
調査対象は2017年春入社の社会人400人(男女同数)で、9月22日~26日にインターネット上で行った。入社半年、そろそろ慣れてきたかという時期である。(文:okei)
「ちょっとした打ち合わせ」と「お茶くみ」が同率2位
無駄だと感じる仕事時間のうち、内容の上位は次の通りだ。
1位「朝礼」(15.3%)
2位「ちょっとした打ち合わせ」・「お茶くみ」(13.8%)
3位「社内会議」「業務報告書作成」(11.5%)
4位「掃除」(10.5%)
さらに10%以下では「電話対応」(8.8%)、「コピー・ファックス」(8.5%)、「会議・プレゼン用資料づくり」(5.3%)、「メールチェック」( 4.3%)などが挙がっている。1つ1つのパーセンテージは高くないが、これらが複数積み重なることによって6割になっている。誰でもできる雑用と共に、社内コミュニケーションに関わることを「無駄な時間」と感じる傾向があるようだ。
会社の朝礼には、情報伝達やラジオ体操で健康管理、経営の方向性を示して社員一丸となる、などの目的がある。しかし今どき、情報は社内ネットワークで共有できるし、中には営業成績の悪い社員を吊し上げたり、トップが話し好きで日常の所感をダラダラ話すだけという場合もある。それなら無駄と感じるのも無理はない。
「無駄な朝礼から社畜を解放してやれよ」という声も
一方で、「無駄だと感じる時間はない」と答える人も 4 割弱(39.8%) いた。朝礼も、内容が有意義であれば無駄とは感じないだろうし、メールより顔の表情や声のトーンから話が伝わり易い情報もある。そもそも、上司がこれを聞けば「新入社員が朝礼の内容を無駄かどうか断定はできない」とのお叱りもありそうだ。
同社は、「業務時間の効率化を図ることも重要ですが、あらゆる業務から学びを得ることも新入社員の大事な仕事だという姿勢なのかもしれません。」とコメントしている。
とはいえ、新入社員だけでなく「朝礼は無駄」と感じる人は多いようで、ツイッターではこんな愚痴や指摘が数多く上がっていた。
「『教養』と称する冊子を唱和させられる無駄な朝礼から社畜を解放してやれよ。信仰活動を企業でやるのはおかしい」
「支社全体で朝礼。その後部署毎で朝礼。その後グループ毎で朝礼。無駄な事この上ない」
様々な仕事がある中、朝礼が必要な職場もあるだろう。だが、働き方改革が叫ばれ、無駄な時間を無くして生産性を上げる方法を、社会は模索している。昔ながらの習慣というだけで朝礼を続けている職場は、すぐさま考え直したほうがいいだろう。