VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカー・シリーズで、今季限りでの引退を表明したニッサン・モータースポーツのトッド・ケリーに代わり、2018年シーズンから新加入のアンドレ・ハイムガートナーが、ニッサン・アルティマのステアリングを握ることとなった。
バサースト1000の優勝経験も持ち、ニッサン・モータースポーツがジョイントするケリー・レーシングの共同オーナーを務めるトッド・ケリーは、先に行われたVASC最終戦ニューキャッスル500を持って現役引退を表明。2018年に向けては、500マイル以上の長距離戦に向け設定される“エンデューロ・カップ”のセカンドドライバー登録の可能性すら「そうする予定はない」と、明確に一線から退く考えを表明していた。
そのトッド・ケリーと入れ替わる形で、新たにニッサン・モータースポーツの一員となった22歳のニュージーランド出身ドライバーは、2015年にスーパー・ブラック・レーシング、2016年にルーカス・ダンブレル・モータースポーツから、VASCのフルタイム・エントリーを経験。
2017年シーズンはレギュラーシートを失っていたものの、ブラッド・ジョーンズ・レーシング(BJR)のエンデューロ・カップ登録ドライバーであるアシュリー・ウォルシュの怪我により、急遽バサースト1000の週末からBJRチームに合流。
ゴールドコースト600の土曜日には、チームメイトのティム・スレードとともに自身初となる表彰台も獲得するなど、自らのスティントでの力強い走りでチームに貢献してみせた。
「こうして、ニッサン・モータースポーツの一員に加わることを発表できて、本当に光栄な気分だよ」と、ハイムガートナー。
「チームのポテンシャルや本拠地の施設、その設備は本当にワールドクラスだ。チームメイトになるリック(・ケリー)やマイケル(・カルーソ)はこのスーパーカー・シリーズにおいて信じられないほどの経験を持つドライバーだし、シモーナ(デ・シルベストロ)はインディカーやフォーミュラEなど、国際的なカテゴリーで成功してきたトップドライバーだ。彼らからあらゆることを学び取りたいと思っている」
「ニッサンは世界中でモータースポーツ活動を展開するグローバル・ブランドだし、そんな彼らの一員となりレースできるのは本当にエキサイティングだ。まだ開幕戦まで数ヶ月もあるなんて待ちきれない気分だけど、早くアルティマのコクピットに飛び乗って、今すぐレースをしたいくらいだよ」
ここ3年間のVASCでの経験に加え、2017年はポルシェ・カレラカップ・オーストラリアやアジアのGTシリーズでも活躍したハイムガートナーに対し、そのシートを譲ることとなったトッド・ケリーは「チームの一員にアンドレを迎え入れられてうれしい」と、喜びを語った。
「アンドレは間違いなく才能に恵まれたドライバーであり、VASCのメインストリームで戦った経験を持っている。我々の2018年シーズンに向けたドライバーラインナップはかなり多彩なものになったけど、とても優れたパフォーマンスを持つチームになるだろう」と、トッド・ケリー。
「アンドレは17年のエンデューロ・カップで、パドック全体の注目を集める素晴らしいドライビングを見せていた。こうした若い才能が出てくるのは喜ばしいことで、私自身もとても快適な気分で引退することができるよ(笑)。2018年の彼の成長を見るのを、今から非常に楽しみにしている」
2017年シーズンは、ニッサン・モータースポーツの“Wエース”である23号車のマイケル・カルーソが、チーム最上位となるランキング13位。そしてもうひとりのエース、リック・ケリーが同14位。そして引退を表明した兄のトッドが18位、ルーキー・イヤーのシモーナ・デ・シルベストロが24位となっていた。
2018年はケリー・レーシングにとって、ニッサンとのジョイント参戦長期契約の最終年にあたり、シーズンを通じて2019年以降の活動に向けた交渉が進められていく予定だ。