シトロエン・レーシングが2018年の投入を目指し開発を進めているシトロエンC3 R5が11月末に行われたラリー・デュ・バールでお披露目された。
ラリーを戦うカスタマーチームを中心にWRC世界ラリー選手権のWRC2クラスをはじめ世界中で使用されているR5マシン。シトロエンが開発しているC3 R5は、そんなR5市場に投入される新型車両だ。
チームは2017年9月から開発テストを本格化させていたが、公の場に姿を現したのは今回が初めて。
現時点でFIAのホモロゲーションを取得していないため、競技には参加せず、各ステージの安全を確認するゼロカーとしての走行だったが、集まったファンから熱い視線を集めた。
チームは今回の走行も開発の一環と捉えており、マシンに先日変更された規定に沿うよう開発された新型シーケンシャルギヤを搭載して走行。大きなトラブルなくゼロカーの任務をこなしている。
「マシンのデザインを強調するべく、カモフラージュ柄での走行を取りやめたのは正解だった」と語るのは、シトロエン・レーシングのイブ・マトン代表。
「多くのカスタマーたちが、このマシンに興味を示している。(ラリー・デュ・バールの)この3日間、実戦と変わらない距離を走行したことで、開発の方向性が正しかったことを確認できた」
「カスタマーたちに素晴らしい製品を届けられるよう、今後も開発を続けていく」
今回、ステアリングを握った2017年のフランス・ラリー選手権王者であるヨアン・ボナートは「マシンは完成に近づきつつあり、ラリー・デュ・バールの路面に合わせた複数のセットアップを試すことができた」とコメントしている。
「セットアップの変更に、マシンは正しく反応してくれた。カスタマー向け車両として、これは極めて重要なことだよ」
「シトロエンが、このイベントでC3 R5を走らせると決断したことを素晴らしく思うし、今後のテスト走行がさらに待ち遠しくなった」
シトロエンは今後、2018年上期の市場投入に向けてパフォーマンス面と信頼性に重点を置いたテストを実施し、FIAのホモロゲーション取得に臨むこととなる。