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ホンダF1長谷川総責任者、トロロッソとの新プロジェクトを語る「より対等な関係だが、プレッシャーは同じ」

2017年12月05日 08:21  AUTOSPORT web

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ホンダF1プロジェクト総責任者の長谷川祐介氏
ホンダF1プロジェクト総責任者である長谷川祐介氏が、2018年から新たに組むトロロッソとは、マクラーレンと比べるとより対等な関係で作業を行っていると語った。しかし最高のエンジンを開発するという目標は同じであり、そういった意味でプレッシャーが少なくなるとは考えていないという。

 2015年にホンダはマクラーレンのパワーユニットパートナーとしてF1に復帰、1988年から1992年に成功を収めたペアは手を携えてF1のトップの位置を目指した。しかし期待したような結果を出せないまま、両者は2017年をもって契約を終了することを決めた。

 ホンダは2018年から、レッドブル・レーシングの姉妹チームであるトロロッソにパワーユニットを供給する。

 長谷川総責任者は、ホンダは新しいスタートを切ることで、さらに多くのことを学習していくことができると語った。

「新しいチャレンジと、新しいパートナーシップはいつもエキサイティングなものです。F1に復帰して以来、ホンダがパートナーを変更するのはこれが初めてです。変化することにより、このF1の世界でなにがスタンダードなのかを理解することもできると思います」と長谷川氏はホンダF1公式サイトのインタビューにおいて語った。

「我々は、まだマクラーレン・ホンダとしてのやり方しか知りません。ですからこれは、全く違うやり方について学ぶ、いい機会となるはずです」

「我々には変化が必要だと思います。技術的な側面から言っても、新しい冷却作用や、異なるマシンのデザインと抵抗力が与えるトップスピードへの影響など、異なることを知るのはチームにとっていいことです。スタンダードがなんなのかを知るのは、非常に重要です」

「トロロッソはすばらしいチームで、我々に対して非常にオープンです。限られたサイズとリソースのチームですが、高い競争力を持っています。私以外のメンバーがどう見ているかは分かりませんが、これまで何回かミーティングを行ってきた経験で言えば、彼らは技術面でも非常にプロフェッショナルです」


 すでにホンダとトロロッソは作業をスタートしており、2月のプレシーズンテストに向けて初のパッケージをうまくまとめるべく、ハードワークを続けていく。

「マシンへのエンジンのインストールが、現在の最も重要な仕事です。エンジンをシャシーに合わせるため、多くの変更を施さなければなりません。この限られた期間で行うには大きな仕事ですが、ホンダとトロロッソはどちらもすばらしい仕事をしています」と長谷川氏は語った。

「現在は、我々の方から多くの要求を出しているところです。しかし、リーダーシップに関して言えば、マクラーレンと組んでいたときよりも、より対等な関係が結べていると言えるでしょう。それはチームのサイズ感だけの話ではありません。ホンダは企業としては巨大ですが、ここ数年のF1に関しては限られた経験値しかありません。その点に関してはマクラーレンが我々をリードしていましたが、トロロッソとはまた違う関係性になるでしょう」

「我々はチームの切り替え作業を迅速に進めています。2月までにマシンの準備を整えなくてはならないので、非常に忙しい冬になります。パワーユニットの開発も進めています。コンセプトは今年と変わらないので、今シーズン使用したものをベースに開発することができます」


 マクラーレンと比べてトロロッソはドライバーもチーム自体もキャリアが浅いため、過度に楽観的な目標を立てることは控えたいと、長谷川氏は言う。トロロッソ・ホンダは、ピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレーという、来年初のF1フル参戦を迎えるルーキーふたりを起用する。

「我々が最も検討するべきなのは、どこに目標を置くかです」と長谷川氏。

「トロロッソの代表であるフランツ・トストは、チャンピオンシップ争いはドライバーの肩にかかっていると繰り返し言っています。我々は、ピエールとブレンドンに必要なパフォーマンスを提供することに集中します。もちろん彼らは優秀なドライバーですが、F1の世界ではまだルーキーで、コンストラクターズチャンピオンシップの面から見ても、具体的な目標を設定するにはまだ早いと考えています」

「トロロッソとのパートナーシップは、これまでよりも周囲からのプレッシャーが少ないはずだと皆さんに言われますが、それは違います。我々の仕事はただ一つ、とてもシンプルで、最高のエンジンを開発することに集中していますし、周囲からの影響によりそのスピードが変化するとは考えていません」